【毎日書評】極めよ、眠り。本当にパフォーマンスがあがる「睡眠戦略」3つの大原則
大原則2 なぜ寝ているあいだに記憶が定着するのか
睡眠の状態は、おもに脳波を調べることでわかるのだといいます。脳波は、脳が発する微弱な電流を、頭皮などに取りつけた電極で読み取ったもの。それが文字どおり、波のような形に記録されるということです。 脳波は大きく分けて、波長が短い方から「ベータ波」「アルファ波」「シータ波」「デルタ波」の4種類があります。 ちなみにアルファとベータの順番が逆になっているのは、脳波研究の黎明期にハンス・ベルガーという人が最初に発見したのがアルファ波だったためです。(45ページより) 4つの脳波は、基本的には波長が短いほど覚醒した状態、長いほど深い睡眠に陥っている状態のときに記録されることがわかっているそう。 完全に覚醒しているとき、アルファ波はリラックス状態からごく浅い睡眠のときに現れるのがベータ波。浅い睡眠時に現れる脳波であるものの、深い瞑想中などにもみられることで知られるのがシータ波。 そして睡眠の深さを知るための指標となっているのがデルタ波で、この値が高いほど、深く質のよい眠りがとれているとされるようです。(45ページより)
大原則3 最新研究で明らかになった「浅いノンレム睡眠」のすごい役割
ご存知のように睡眠には大きく分けて「レム睡眠」「浅いノンレム睡眠」「深いノンレム睡眠」の3種類がありますが、それぞれ効果は異なります。それぞれを確認してみましょう。 レム睡眠 レム睡眠の間、筋肉は弛緩していますが、その一方で脳は活発に活動しています。「レム」とは「rapid eye movement(速い目の動き)」の略称で、つまりは眼球も活発に動いているということ。夢を見るのもレム睡眠時で、最新の研究では、レム睡眠はメンタルを安定させたり、人間らしい情報を生み出したりする作用に大きく関わっていることがわかってきたのだといいます。 深いノンレム睡眠 深いノンレム睡眠については、成長ホルモンの分泌を促し、身体と脳を回復させる効果が認められているそうです。生命を維持していくうえで欠かせない、もっとも基礎的な機能を担う眠りだと著者は述べています。 浅いノンレム睡眠 最新の研究結果でわかってきたのは、浅いノンレム睡眠の間に出る特殊な脳波が、記憶の定着や運動神経の発達に関わっていること。身体と脳の「進化」に重要な役割を果たしているといえるそうです。 これら3つの眠りの効果は互いに重なり合っていますが、いずれも重要な役割を持っていることには間違いないといいます。(48ページより) こうした“基本”を軸として、本書では大谷翔平、マドンナ、ラリー・ペイジらの著名人が取り入れているという「7つの睡眠戦略」が紹介されています。自分にフィットしそうなものを実践してみれば、睡眠の質が向上するかもしれません。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: PHP研究所
印南敦史