死んだ父の通帳と現金が見つからない!「モノが多いこと」が表す本当の意味【エディター昼田祥子】
こんにちは、エディターの昼田です。今日は亡くなった父のその後を書こうと思います。 私、面倒なことが大の苦手なのですが、そうは言ってもやらなきゃいけないのが「死後の諸手続き」。まずは行政関連。最近は、一つの窓口で主要な手続きが完了する「ワンストップ窓口」を設置している市町村も多いようですが、利用しようとしたらなんと予約制でした。しかも最短で数日先……! ゲゲゲ! 私も姉も遠方住まい。実家でゆっくりしていられないため、面倒ですが市役所で一つずついろんな課を回ってひとまず手続きを終えましたが、それだけでぐったりしました。 【着こなし画像】シンプルなのにこなれてる! 昼田祥子のコーディネート一覧 いや、まだまだ終わらない。 問題はですね、父が所有しているものを私たち家族が全く把握していないことにありました。登記簿すらどこに? って感じです。市役所で所有している土地を初めて知り、しかもこれってどこの場所!? というものがいくつもあるわけです。母も姉もポカーンって感じでした。 それからお墓問題。山奥の、参るには危険な場所にあって、後継ぎがいない昼田家の墓はどうするのか。なんとかしないとなぁと言いながら、何もせずに死んでいった父。 「なぁお父さん、ちゃんとしといてよ……」。 微笑んでいる遺影の父を蹴り飛ばしそうになりました。 おとうさん、あんたは終活スコア0点や! 遺品整理をしてみて、父は整理整頓はできるけれど、モノはほぼ捨てられないタイプだったことがよくわかりました。例えば、クレジットカードや公共料金の請求書などは、それが入っている袋ごととってあるわけです(笑)。通帳をさがそうものなら、独身時代のうん十年前のものが何十冊も出てくるわけですよ。なぁお父さん、なんのために持ってたわけ? モノが極力少ない私からすると、父の部屋が巨大なゴミ箱に見える。 モノモノモノモノー!!! 何もかもがある父の部屋を見渡して思ったことは、モノが多すぎて、大事なモノが何なのかが分からないんですよ。大切にしなければいけないものも、そうでないものも一緒くた。だけど本当に大事なものは”ひと握り”しかないんですよ。 どうしても探したかったのが、父が会計係としてお預かりしていた町内会の通帳と現金18万です。銀行に行けば再発行をしてもらえますが、取引明細が省略されてしまいます。つまり、父が不正なく業務を行っていたことを証明するためにも、通帳そのものを見つけ出す必要がありました。 ない、ない、ない、なーい!! 片っ端からひっくり返し、使っていない布団の中から通帳を発見。でも現金は見当たらない! 一箇所にまとめてもいない。盗まれたくないものはあちこちに隠している模様。いや~全然面白くない宝探しですよ。「まだ見つからないんですか?」と度々せっつかれ、いやそもそも父がそんな大金をお預かりしていたのかどうか家族の誰も分かりません。カーペットの下、背広のポケット、本と本の間、棚の後ろ……隠し場所になりそうなところを探してみたけれど見つからず、49日も過ぎ、母はとうとうノイローゼ気味に。 ある日、予想もしない場所から出てきました。 コピー用紙の中……! 「なんでこんなとこに!?」って感じですよね(笑)。 遺品整理をしながら思ったこと。 5枚のクレジットカードを持っていれば、解約手続きは5つしないといけません。通帳が5つあれば、5つの銀行に行っていちいち手続きをしなければいけません。家族が知らないサブスクがあれば、請求書がきて初めて知るわけです。 解約するとなると一つ一つが、それなりに面倒で時間がかかります。 だから持ち物は極力少なく。 残された人に迷惑をかけないように。 私もプレ終活、進めています。 着用・文/昼田祥子 構成/出原杏子
昼田 祥子