松本市消防団再編に着手 来年度にも計画づくり 女性・若手確保狙う
団員確保に向けた組織改革を進める長野県の松本市消防団(宮坂明直団長)と市は、早ければ新年度から、現在39ある分団の再編計画づくりに着手する。令和4年度から取り組んできた団員の負担軽減や処遇改善、デジタル化の推進、入団勧奨などの取り組みの一環で、合理的で機動力の高い組織をつくり、女性と若者の入団につなげたい考えだ。 現在は各分団への意識調査中で、まとまり次第順次、計画を作成して地元説明に入る。分団内の部や、分団の統合も視野に入れた検討を行う。中心市街地や山間部など、若者や現役世代の減少が著しい地域では取り組みを急ぐ必要があり、臥雲義尚市長は17日の定例記者会見で「減少の度合いが深刻であったりそうでなかったり(地域によって)ばらつきがある。必ずしも統合だけが選択肢ではないが、議論は進めていく」と述べた。 市消防団の団員数は本年度当初が1695人で、平成25(2013)年度の2123人以降、減少し続けている。近年は団員報酬の個人払いや出動報告アプリの導入、準中型自動車免許の取得補助など、若い世代に魅力ある環境づくりに取り組んできたが、団員増には至っていない。一方で、頻発する災害に対応する消防団の重要性は高まっており、機動的な組織に改革し、団員を確保する必要がある。 今年からは、歳末警戒初日の26日に市長や消防局長らが分団詰め所を回り、団員を激励する「理事者巡視」を取りやめ、団員に激励メッセージを送る動画配信に切り替える。40年以上続いた伝統の取り組みだが、仕事を切り上げて準備したり、寒い屋外で長時間待ったりする負担があった。宮坂団長は「歳末警戒自体は例年通り行うが、さまざまな改革を通して、女性や若者が入団しやすい環境を整備したい」と話している。
市民タイムス