非資源を伸ばして最終益2倍を目指す 植村幸祐・双日社長
── 旧日商岩井と旧ニチメンの合併から2024年で20周年という、節目の年での社長就任です。 植村 入社して30年。私の周りも含め、社内はすごく良い方向に変わりました。合併当初は何をするにもさまざまな制約がありました。やれることを地道に積み重ねたのが最初の10年。徐々に制約が減り、「これだ!」と思うことをできるようになりました。 ── 長期目標では、時価総額や最終(当期)利益を現状の約2倍にすることを掲げています。最終(当期)利益2000億円に向け、どういうことが必要ですか。 植村 大胆な目標で、新たな一歩が非常に重要と考えています。既存事業を磨き直し、新分野は決して「飛び地」としない。この既存事業を中心としたものを当社では「カタマリ」と呼んでいますが、これをさらに大きくしたい。急激に変化する外部環境下で必要なのは、デジタル化と新エネルギー分野で、両者を組み合わせていきます。2000億円の達成時期は30年前後になるだろうと考えています。 ── 4月にスタートした、27年3月期を最終年度とする3カ年の新中期経営計画(中計)では、平均で最終利益1200億円を目標としています。市況の変動で業績がぶれやすい資源分野と、比較的安定的な非資源分野の将来像は? 植村 現状では最終利益約1000億円における資源分野は3割程度です。市況に頼らず実力として1000億円を超えるよう非資源分野を伸ばしたい。今の700億~800億円から、100億、200億と増やしていく構想です。リテールコンシューマーサービスや、今期は若干苦戦中ですが自動車も確実に伸ばします。他にも省エネやヘルスケアなどカタマリになる部分をさらに強化します。 ◇ベトナムからインドへ ── 中計には「『双日らしい成長ストーリー』の実現」を掲げています。具体的に教えてください。 植村 従来の延長線上ではなく、社員に、今やっていることを踏まえながら新たな部分でユニークさを出してほしい。これをイメージしてもらいたく考えた言葉です。