《衆院選2024 激戦区を行く》茨城3区 「ダブル逆風」葉梨氏危機感 野党乱立、批判票争奪
茨城県内最多の5人が名乗りを上げた3区は、激しい選挙戦が繰り広げられている。自民党派閥による裏金問題などで逆風にさらされ、巻き返しを図る自民前職候補。一方、野党は4候補が乱立し、政権批判票の奪い合いとなっている。 【3区】(届け出順) 梶岡博樹 47 立民 新 加川裕美 60 れいわ新 葉梨康弘 65 自民 前(6) 橋口奈保 47 維新 新 大内久美子 75 共産 新 自民前職の葉梨康弘氏(65)はいつも以上に危機感を抱く。応援弁士も続々と選挙区に入り、16日の岸田文雄前首相に続き、21日には高市早苗氏が駆け付ける。法相在職時の失言で「ダブル逆風」(陣営関係者)だが、葉梨氏は「奇策はない。地道に訴える」。陣営も「票を固めていく」と組織をフル回転させる。 立民新人の梶岡博樹氏(47)は「保守票の奪い合いになる」と分析。約8万票を当選ラインと見込み、裏金問題や失言で逆風の自民前職から離れた保守票を取り込みたい考えだ。街頭演説は1日約20カ所。保守層を念頭に訴えを続けるとともに、地元の守谷市などに多い無党派層への浸透を図っている。 維新新人の橋口奈保氏(47)は、同党所属の県議や市議の支援を受けながら草の根運動を展開。陣営は「地方議員も増え、それなりに地盤ができてきた」と自信をのぞかせ、支持率調査の結果には「一喜一憂しない」と冷静に受け止める。団体献金の廃止や減税を繰り返し訴え、自民批判票の取り込みを狙う。 水戸市を長く拠点にしていた共産新人の大内久美子氏(75)は、初めて3区に立候補。同市議と県議を計40年務めた実績を強調し、共産支持層が厚い同区で地盤固めに懸命だ。自民の「政治とカネ」問題を追及し、政権批判票の獲得や比例票上積みを目指す。21日は小池晃書記局長が取手市に駆け付ける。 「第1公約は消費税廃止。主婦や子育て世代なら共感するはず」。れいわ新人の加川裕美氏(60)は、スーパー前での街頭演説に注力。今月初めに立候補を表明し、選挙カーのマイクも自ら握る。「準備期間がなかった。早く知名度を上げたい」と陣営。党の街宣車を3区外にも走らせ、比例票の獲得を狙う。
茨城新聞社