「裁判になる可能性はある」大谷翔平の50-50記念球を巡り泥沼化!? ホームランボールに纏わる裏事情も「多額の税金が…」
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手は、19日(日本時間20日)に行われた敵地マイアミ・マーリンズ戦で今季50号ホームランを放った。この試合で史上初の50-50達成したことにより、この野球ボールの価値は高まっている。そんな中、この記念すべき野球ボールがオークションに出品されたと、米紙『ニューズウィーク』が報じた。 【写真】日本人メジャーリーガーの歴代最高年俸ランキング この試合前の時点で、大谷は48-49を記録しており、史上初の50-50達成は目前だった。ただ、その記録は次のコロラド・ロッキーズ戦で達成するとの見方が強く、まさか1試合3本塁打と2盗塁を記録するとは誰が予想しただろうか。この50号アーチは左翼席に飛び込み、ファンが群がって取り合いとなった末に一人の人物が手に入れ、球団とのボール交換には応じずに持ち帰っている。 そして、その記念すべき野球ボールが、早速オークションに出品されたようだ。同紙によると「オークションが金曜日に始まる前の時点で、入札開始価格は50万ドル(約7200万円)に設定されているが、購入希望者は9月27日から10月9日までの期間のみ、450万ドル(約6億5000万円)で野球ボールを即購入するチャンスがある。しかし、10月9日までに入札額が300万ドル(約4億3000万円)に達した場合、このオプションは利用できなくなり、関心のある当事者は野球ボールをめぐって競争し入札しなければならなくなる」という。 この野球ボールを出品した人物は、大金を手にするチャンスが訪れたが、その人物にとってハッピーエンドで終わらない可能性がある。同紙はタイトルに「オークション後に訴訟が起こる?」とつけ、裁判沙汰になることを示唆した。というのは、18歳のマックス・マタス氏が「ボールはテーブルから跳ね返り、下に落ちたので、それを掴んだ。すると、一人の人物が私の手を股の間に挟んで腕を掴み、私の手からボールを奪った」と主張していることにある。クリーブランドに拠点を置くKaron LLCのダニー・カロン弁護士は、マタス氏がオークション収益の一部に対して法的権利を有する可能性があると考えており「裁判になる可能性はある」と語っている。 過去の事例では、バリー・ボンズの記録的な73本目のホームランボールをアレックス・ポポフ氏という一人のファンがキャッチしたのだが、群衆が彼に群がったことで取り合いとなり、最終的にパトリック・ハヤシ氏がボールを手に入れた。しかし、ポポフ氏がハヤシ氏を訴えたことで、裁判所はボールの売上金を二人で分ける判決を下している。 さらに、米紙『アボーブ・ザ・ロー』によると、価値ある野球ボールを手に入れた人物は、それを収入として申告する必要があるとのこと。カリフォルニアに住んでいる場合は、カリフォルニアの所得税も支払う必要がある。収集品として扱われる可能性が高いため、一律28%の税率で課税されるようだ。同紙は「多額の税金が課せられる場合、ファンは税金を支払うためにボールを売らなければならない可能性がある」と伝えており、球団側がボール交換を要求することや、すぐにホームランボールなどが出品されるのは、こうした事情が背景にあるのかもしれない。
ベースボールチャンネル編集部