「ラッキーな旅になりました」 月下美人120輪 奈良県吉野町の温泉宿で咲きそろう
万葉歌にも詠まれた景勝地、奈良県吉野町宮滝の温泉宿「まつや」で10月26日夜、月下美人の花120輪がそろい咲き、来訪者を一夜の夢にいざなった。 熱帯雨林地帯原産のサボテン科の植物で、透けるように白い花びらが開くと直径十数センチの大輪になり、魅惑的な香りを放つ。太陽が沈んだ後に開き始め、翌朝にはしぼんでしまう。 女将の松本美也子さん(76)が友人から譲り受けた1鉢に愛情を注ぎ、十数年で6鉢に増えた。今年は6月に20輪、7月に76輪、さらに10月24~27日にかけて計約150輪。さすがに1夜に120輪も咲いたのは今年が初めてで松本さんも「最高に幸せ」と息をのんだ。 この夜宿泊した愛知県の女性(54)は「実物の月下美人の花を見たのは初めてですし、こんなにたくさんなんて。ラッキーな旅になりました」と喜んだ。