「常に自分がヒーローだと」「心で打て」西武のムードメーカー蛭間拓哉が千金タイムリー 後押ししたオーナーと〝師〟の言葉
◆西武2―1楽天(11日、ベルーナドーム) 西武の蛭間拓哉外野手(23)が2安打1打点と躍動した。 ■衝撃のデザイン!?西武の特別ユニフォーム【写真】 1点リードの5回2死二塁、楽天先発・内の甘く入ったフォークを見逃さず強振。打球は前進守備をしいていた右翼手・小郷の頭上を越えた。試合前、後藤高志オーナーから「打席に立つときは常に自分がヒーローだと思って挑むように」とハッパを掛けられたのを思い出し「今日は自分がヒーローになるんだという気持ちで打席に立った。武内を何とか援護したかった」と笑顔を輝かせた。 昨年ドラフト1位で入団した蛭間はルーキーイヤーに56試合出場。今年はスタメン定着を目指しているが、上半身を鍛えた影響で思うような動きができなくなり、一時は肘も痛めて今春のキャンプ終盤から調子を落とした。ファームで開幕してからは徐々に調子を戻し、イースタン・リーグで29試合に出場し、打率2割8分7厘、5打点、1本塁打。9日の全体練習に合流し、今季1軍初出場となった10日の楽天戦で9回に今季初安打を放っていた。 1軍昇格前、一緒に自主トレを行ったベテラン栗山巧から「バッティングは心だ。心で打て」と声をかけられた。「常に憧れで、見習っている部分がたくさんある。自分もいずれ、栗山さんみたいにライオンズを背負う選手になりたい。本当に気持ちで打った」。5回の適時打も7回の右前打も初球を迷わず引っ張った。松井監督は「積極的に振ってくれたことが結果につながった」とうなずいた。 今年も「みんなが知っていて盛り上がれるから」と登場曲には郷ひろみの「2億4千万の瞳」を選曲。お立ち台では「打席に入るとき、もっと『ジャパーン!』とお願いします!」と、郷ひろみが声を張り上げるところで一緒に声を出すよう呼びかけた。断トツ最下位で沈滞ムードが漂っていた状況を変えてくれそうなムードメーカーの活躍。松井監督も「蛭間にはそういう力がある」とさらなる大暴れを期待した。
西日本新聞社