Amazon Original ドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』河合優実 10年の軌跡を役に込める【Actor’s Interview Vol.45】
Prime Videoにて世界独占配信される『龍が如く ~Beyond the Game~』は、セガの大ヒットゲーム「龍が如く」シリーズを基に制作されたAmazon Originalドラマ。監督は武正晴と滝本憲吾。ゲームにも登場する歓楽街・神室町を舞台に、主人公・桐生一馬(竹内涼真)や、その幼馴染である錦山彰(賀来賢人)らを軸に、あることをきっかけに、裏社会に落ちていった“家族の絆”や“友情”、極道として生きる熱き男たちの生き様を、1995年と2005年の二つの時代を交差させながら描いていく。 河合優実演じる澤村由美は、桐生や錦と同じ児童養護施設で育った幼馴染。1995年ではまだあどけない少女だったが、2005年には堂島組支配下のクラブ、ニューセレナのママに収まっている。ゲーム原作のエンターテインメント作品ながら、河合をはじめとする俳優陣のリアルな演技がドラマに重厚感を与えている本作。一人の女性の10年に渡る生き様を、河合優実はどう演じたのか。話を伺った。 Amazon Original ドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』あらすじ 舞台はゲームにも登場する歓楽街・神室町。幼くして親を失い、児童養護施設で暮らす桐生一馬(竹内涼真)、錦山彰(賀来賢人)、澤村由美(河合優実)、錦山ミホ(中山ひなの)は、規律に縛られた暮らしから新しい世界へ飛び出そうと、1995年の神室町を支配するヤクザの世界に飛び込む。一方、2005年では、由美の姉のアイコ(森田望智)が近江連合の裏金百億円を強奪する事件を起こし、東城会と近江連合は一触即発の状態にある。十年の間にすっかり関係が壊れてしまった桐生、錦、由美の三人は新たな運命の渦に巻き込まれていく。
10年の軌跡を役に込める
Q:ゲームを基にしたエンターテイメント色の強い作品ですが、河合さんはじめ出演者の皆さんのリアルな演技が説得力を与えていました。武監督からはどのような話がありましたか。 河合:最初に武監督に会ったときに、武さんがどういう心持ちでこの実写化をやろうとしているのか、長時間マシンガントークしていただきました(笑)。武さんがこれまでやって来られたことと、今回のビッグバジェット企画をうまくドッキングさせようとしている。それがすごく伝わってきました。こんなに年下の私に顔を突き合わせて熱く話してくださり、とてもありがたかったです。 私はゲーム文化を全然通って来なかったので心配でしたが、武監督は「そこは全く気にしなくて良い」と。「真っさらの状態で来てくれ」と言ってくださったのも、大きな自信になりました。 Q:由美は極道の男社会の中にありながらも、毅然とした態度を貫きます。由美という役をどのように捉えられましたか。 河合:原作が、ゲームやヤクザというジャンルの色が強くあるので、最初は“男社会の中で生きてきた強い女”のような、分かりやすいイメージも必要かなと思っていました。撮影は1995年のパートから始まったのですが、その頃の由美は自分の近くの人を次々と失い、喪失を重ねている状態でした。その感情を持った上で、2005年の撮影に挑むことが出来たので、そこはとても良かったですね。“どうリアリティを持つべきか”という迷いみたいなものが、途中から自然に消えていく感じもありました。95年の子供時代を先に演じたおかげで、由美のベースを作ることが出来たと思います。 とにかく由美は、孤独を恐れていたのだろうなと。親がいない環境の子供たちが集まっている児童養護施設で育ち、のちに一人で生きていくことの決意を10年かけて固めた人。由美を演じながら、それが徐々に分かってきました。 Q:撮影は1995年と2005年で完全に分かれていたのでしょうか。 河合:多少は入り混じっていましたが、ざっくり分かれて撮影していました。前半に1995年を撮り、後半に2005年を撮ったのですが、とてもやりやすかったですね。95年を先に撮影できて本当に良かったと思います。
【関連記事】
- 『ナミビアの砂漠』山中瑶子監督×河合優実 運命的に出会った二人が生み出したもの【Director’s Interview Vol.429】
- 『ピアニストを待ちながら』井之脇海 村上春樹ライブラリーに漂っていたもの【Actor’s Interview Vol.44】
- 『若き見知らぬ者たち』内山拓也監督×磯村勇斗 “主人公の交代劇”への挑戦【Director’s Interview Vol.441】
- 『まる』荻上直子監督 自分が興味のある人から映画を発想する【Director’s Interview Vol.446】
- 『ぼくが生きてる、ふたつの世界』呉美保監督 自分とリンクした、出会いがもたらす心の変化【Director’s Interview Vol.432】