【有馬記念】横山和生騎手は中山芝2500mで単回収率628% データで導く穴馬候補3頭
「ジャパンCキレ負け組」に金脈あり ジャスティンパレス
2頭目はジャスティンパレス。昨年の有馬記念は1番人気に推されるも追い込み及ばず4着。1-2-3着を4角3-2-1番手の馬が占める決着によく差を詰めてはいた。今年はジャパンC5着からここへ向かう。 有馬記念における「前走ジャパンC組」の取捨はシンプルだ。ジャパンC5着以内なら【3-3-4-11】複勝率47.6%、複回収率112%に対し、同6着以下は【0-0-0-30】と全滅している(※過去10年)。大きな逆転はなく、掲示板を確保した馬にフォーカスすればよい。 ジャパンC5着以内馬のうち、その際の上がりが2位以内だと【1-0-0-6】複勝率14.3%、複回収率32%と案外振るわず、むしろ同3位以下【2-3-4-5】複勝率64.3%、複回収率152%の方がはるかに活躍している。言い換えれば、東京の「末脚キレ味勝負」で分が悪かった馬こそ、有馬記念で狙い目になりうるのだ。 ジャスティンパレスはジャパンCでは上がり3位で5着に終わった。もともと3200mの天皇賞(春)を勝っているスタミナ型で、本質的には消耗戦を好む。 しかし今年はドバイSC、天皇賞(秋)、ジャパンCがいずれもスローペース、宝塚記念は馬場が悪すぎて力を出せなかった。近走着順こそ今一歩だが、タフな流れになればもっと走れていい。もっとも、今回も今回で逃げ馬不在なのは痛いが……。
「中山芝2500mの鬼」横山和生 ベラジオオペラ
最後は大阪杯の勝ち馬ベラジオオペラを選ぶ。鞍上はダービーから7戦連続での騎乗となる横山和生騎手。何を隠そう、彼こそが「中山芝2500mの鬼」である。 過去5年で横山和騎手の中山芝2500m成績は【4-2-3-7】複勝率56.3%、単回収率628%、複回収率219%と非の打ち所がない。ちなみに16回の騎乗のうち12回は4角を3番手以内で通過していた。このコースでは前々で運ぶ傾向が強く、スローペースが想定される今回もそのスタイルはマッチするだろう。 また、タッグを組む上村洋行厩舎の管理馬では(コース限定せず)【9-4-5-16】複勝率52.9%、単回収率161%、複回収率116%と好相性で、一発に期待できる。 ベラジオオペラは一言で評するなら「何でもできる」のが長所の馬。これまでスローペースの瞬発力勝負、道悪、高速馬場のロングスパートなど様々な形に対応し、距離も1800~2400mまでソツなくこなしてきた。先行してよし、差してよしと脚質も自由自在。まさにオールラウンダーだ。 ただ、自身が器用なオールラウンダーであるがゆえに、相対的には「他馬が走りにくい条件」や「位置取りに注文がつく条件」の方が有利に働く。具体的に書くと東京芝2000mのような大箱コースでの脚力比べより、立ち回り次第でごまかしが利く中山の有馬記念の方が合うはずだ。 付け加えると、前走時は「夏バテが尾を引いた」とのことで陣営のトーンが上がっていなかった。3歳時も夏負けで神戸新聞杯をパスした経緯があり、どうやら暑さに強くない。裏を返せば12月の厳冬期はこの馬が最も輝く季節。存分に暴れまわってほしい。 <ライタープロフィール> 鈴木ユウヤ 東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、X(Twitter)やブログで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。
鈴木ユウヤ