【世界卓球】世界卓球団体戦でついに本領発揮。大黒柱・早田ひなの安定感
◇世界卓球2024(団体戦) 2月16~25日 韓国・釜山 2月23日に行われた女子準決勝の香港戦2番で、1ゲーム目はゲームポイントを奪われながらもストレートで勝利を収めた早田ひな。1月の全日本選手権に続き、今大会でのプレーの充実ぶりは、目を見張るものがある。 ●女子準決勝 〈日本 3-0 香港〉 ◯張本美和 -7、-9、4、6、5 杜凱琹 ◯早田ひな 12、3、7 朱成竹 ◯平野美宇 5、5、5 李皓晴 早田ひな ―― 杜凱琹 張本美和 ―― 朱成竹 香港戦で渡辺武弘監督が張本美和をトップに起用できたのも、2・4番に出る早田の存在があってこそ。さらに3番に平野を置くことで、万が一前半で張本が失点することがあってもリードして後半につなぎ、4番・早田が決める。
早田は朱成竹戦を振り返り、「1ゲーム目の入りがあまり良くなかった。相手が思い切って攻めてきたことも重なってジュースになってしまった」と語った。2番に出場する選手は、1番の試合の進行状況を見ながら準備を進めなければならない。 「昨日(22日)の準々決勝では、日本の前の試合(フランス対ドイツの女子準々決勝)が競っていたので、『一度体を動かしたほうがいいな』と思って試合前に練習に行きました。今日(23日)はスムーズに試合が始まるかなと思ったので、試合が始まってからアップや練習はしなかったんですけど、1番で3-2まで競ったので30~40分くらいベンチにいて試合に入ってしまった。1ゲーム目はあまり感覚がなかった。 これが団体戦の難しさというか、この先は1番で試合をしている選手がいても、2番だったら絶対練習したほうがいいと思いますね」(早田) ベンチでコートを着込んだ選手たちの映像は、日本でも流れていることと思うが、今大会の会場はかなり寒い。早田も試合前のアップや練習には相当気を遣っているが、より細心の注意が必要ということだろう。 これで早田は7戦全勝。準々決勝のルーマニア戦でドラゴマンに1ゲームを落としただけという、圧倒的な強さ。サービスひとつとっても、トスの高さ、回転量、コースを変えながら、まるでラリーを楽しむように相手の攻撃をしのぎ、反撃で逆を突く。まだ実力の半分ほどしか出していないようにも見える。 2018年大会ではチームメイトの石川佳純、伊藤美誠、平野美宇らが東京五輪の代表選考レースの真っ只中で、早田の出場はグループリーグの1試合のみ。前回の2022年大会では体調が整わず、決勝のコートに立つことができなかった。「世界卓球の団体戦とは不思議と縁がない」と語っていた早田。今大会での活躍はその鬱憤を晴らすものだ。