バイデン氏とトランプ氏が直接論戦 米大統領選討論会の主なポイント
(CNN) 米国のバイデン大統領はトランプ前大統領より3年7カ月年長だ。しかし27日夜にCNNで放送された大統領選の討論会で、81歳の現職と78歳の挑戦者の年齢差は実際よりもずっと大きく感じられた。 バイデン氏の声はしわがれ、音域も狭い。トランプ氏との違いを明瞭に示すことができない場面がしばしば見受けられた。国境の安全対策に関する実績を擁護する際には次第に声が小さくなり、トランプ氏が「最後の方で何と言ったのかがよく分からない。言った本人も分かっていないと思う」と指摘する一幕もあった。 一方のトランプ氏は、前回2020年大統領選の結果を否定する言説を何度か繰り返した。24年大統領選の結果については選挙が「公正かつ合法」に行われれば受け入れるとしたが、前回選挙で不正があったとする虚偽の言説を改めて口にした。 これに対しバイデン氏は、負けたのに泣き言を言っていると、トランプ氏を批判した。 両者が直接討論するのは20年以来初めて。現職の大統領とその前任者が討論に臨むのは米国の歴史上初となる。両者は人工妊娠中絶、移民、外交政策、インフレなどの問題で激論を繰り広げた。 米ジョージア州アトランタで開催された討論会の主なポイントを以下にまとめる。
年齢の問題は一段と悪化
バイデン氏にとってこの夜の最も重要な仕事は自身の年齢に関する有権者の懸念を和らげることだったが、それは失敗に終わった。しわがれた声は時に聞き取れず、口ごもる場面も見られた。統計や法律を引用しようとする際には特にそうなった。声を張って論点を強調することもほとんどなく、20年大統領選の結果転覆を図ったとする件や人工妊娠中絶の問題でトランプ氏を攻撃する機会も逸した。 選挙陣営の情報筋2人によると、バイデン氏はこの数日で風邪をひいていたという。 民主党の予備選はとうに終わったが、討論会でのパフォーマンスを受けて党内での不安が高まるのは確実だ。名ばかりの候補者と競わせる形でバイデン氏に党からの指名を与えるのが果たして正しい措置だったのか、疑問を呈する向きも出てくるだろう。