WELQなど全10サイト非公開に DeNAが記者会見(全文1)社長報酬30%減に
医療情報を扱うディー・エヌ・エー(DeNA)のキュレーションサイト「WELQ(ウェルク)」が無断引用や事実誤認などの指摘を受けたことに端を発した問題で、DeNAは5日までにウェルクを含む「MERY(メリー)」など10サイトを全て非公開にすることを発表した。同社は7日午後3時半から記者会見を行い、記事の非公開化や第三者調査委員会設置などについて説明する。 【中継録画】WELQなど全10サイトを非公開に DeNAが午後3時半から会見
ディー・エヌ・エー、代表取締役社長兼CEO守安功よりあいさつ
司会:あらためまして、本日はご多用中、また皆さまにご足労をお掛けいたしまして誠に申し訳ございません。遠方よりお越しの方々にもあらためまして、重ねておわびを申し上げます。私、本日の進行を務めます青野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。それでは本日の説明者をご紹介いたします。 まず株式会社ディー・エヌ・エー、代表取締役社長兼CEO、守安功でございます。取締役会長、南場智子でございます。執行役員経営企画本部長、小林賢治でございます。それではまず守安より本件についてご説明を申し上げます。 守安:株式会社ディー・エヌ・エー、代表取締役社長兼CEOの守安功でございます。本日は着座にて失礼いたします。このたびは皆さまのお忙しい時間をいただくこととなり、誠に申し訳ございません。私から皆さまに直接お話をさせていただきたいと思い、本日、会見を開かせていただくことといたしました。これより当社のキュレーションプラットフォーム事業に関わる一連の問題に関してご説明を申し上げます。 初めに当社のサービスをご利用いただいている皆さま、お取引先の皆さま、インターネットのユーザーの皆さま、株主・投資家の皆さま、そして全ての関係者の皆さまに多大なるご迷惑とご心配をお掛けしましたことを、心より深くおわび申し上げます。また皆さまに対して直接、私からご説明をする機会が遅くなってしまったことを重ねておわび申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
今回の問題の一連の経緯について
ますこのたびの一連の問題に関する経緯を私より説明いたします。2014年9月当社は住まいやインテリアに特化したキュレーションプラットフォーム「iemo」を運営するiemo株式会社、および女性向けファッションに特化したキュレーションプラットフォーム「MERY」を運営する株式会社ペロリの2社を買収し、キュレーションプラットフォーム事業を開始いたしました。キュレーションプラットフォームとはインターネット上に存在するさまざまな情報を、キュレーターと呼ばれるライターが独自のテーマに基づいて1つのページにまとめ、公開することが可能なサービスです。当社では先ほどご説明した住まいやインテリア、および女性向けファッションに加え、食、旅行、男性向けファッション、育児、エンターテイメント、ヘルスケア、マネー、車と新しいジャンルのキュレーションプラットフォームを順次立ち上げ、全部で10サイトのサービスを運営しておりました。 そのうちヘルスケア情報を扱うキュレーションプラットフォームである「WELQ」におきまして、専門家による監修のないまま、根拠が不明確で誤った知識の提供につながりかねない医療関連の情報を載せていたことについて、数多くのご批判をいただきました。細心の注意を払って取り扱うべき情報を、このように不適切な形で提供することは大きな問題であると反省し、11月29日にWELQの全記事を非公開化いたしました。 加えて共通する運営体制、および方針を取っているMERY以外の9つのサービスに関して、業務マニュアルやライターの方々への指示などにおいて他サイトからの文言の転用を推奨していると捉えられかねない点がございました。このまま記事を提供し続けることは許されないと判断し、12月1日に9つのサービスの記事を全て非公開化することを決定しました。またこれらを重く受け止め、代表取締役社長として自らの報酬を6カ月間、30%減額することを決定いたしました。 9つのサービスを非公開化したことから、その後は女性向けファッションのMERYのみ記事が公開されている状態になっていました。これはMERYの運営体制および方針が9つのサービスと異なっており、その確認を行ったところ運営体制と方針に問題はないと判断したためです。しかしながらWELQでもご指摘を受けた心身の状態に関わるキーワードを含む記事、出典元が不明の画像を含む記事など、さまざまな観点から念のため記事単位での非公開化を進めたところ、実際には8割近い記事がMERYにおいて非公開化されるに至りました。 そのためMERYについても他のキュレーションプラットフォームサービスと同様に一度サービスを停止し、厳選かつ公正な調査を受けるべきではないかと取締役会で指摘を受けました。そこで第三者による調査委員会を設置し、事実関係の調査を行うことを決定しました。これにより本日、MERYを含む全てのサービスの記事を非公開化といたしました。以上が経緯になります。 今後は第三者委員会による調査に全面的に協力し、皆さまに今回の問題の全容をご報告するとともに、社内でもしっかりと問題のある部分とその原因を洗い出し、徹底的な改善策を実行してまいります。1日も早く皆さまの信頼を回復できるよう私自身が全社員の先頭に立ち、全力で責任を果たしてまいります。この場をお借りしまして、あらためて全ての関係者の皆さま方におわびを申し上げたいと思います。誠に申し訳ございませんでした。