アマゾンの有料会員サービス「プライム会員」にどう対抗する? ウォルマートは他社連携で特典サービスを拡充、会員増+維持を狙う
「Amazonプライム」との差を縮める
ドイツの大手メディア、アクセル・シュプリンガーの子会社で、市場調査を手がけるeMarketerによる6月度のEコマース調査によると、6月時点で米国成人の26%が「Walmart+」の会員となっており、この割合は前年から12ポイント増加。 「Walmart+」の会員普及率はCostcoの27%に近づいています。食料品の即日配達サービスを運営する米国企業Instacartの有料会員制度で、普及率が9%となっている「Instacart+」と比べると約3倍です。 eMarketerは「Walmart+」の利用者数について、2024年末までに3180万人に達すると予測しています。しかし、米国の調査会社Consumer Intelligence Research Partnersによると、「Amazonプライム」の米国での会員数は2024年3月時点で1億8000万人(前年比8%増)。有料会員数を多く持つ事業者としては、依然として大きくリードしています。 ただ、Walmartは会員プログラムに特典を追加することで、「Amazonプライム」との会員数や人気の差を徐々に縮めています。「Walmart+」の会員は「Amazonプライム」と同様に、ECの注文商品の無料配送に最低注文金額を設けていません。また、商品の先行発売、ブラックフライデー期間中のオンラインセール、動画配信サービス「Paramount+(パラマウントプラス)」の視聴、返品時の自宅への無料集荷といった特典が受けられるようになっています。 Walmartは6月、第2回目の「Walmart+Week」を実施しました。これは、Amazonの「プライムデー」に似たオンラインのセールイベントです。7日間にわたって、主に会員を対象に買い得品が販売されました。2024年の「Walmart+Week」は、7月のAmazonプライムデーの、わずか数週間前のタイミングで実施されています。 ┌────────── 「Walmart+」は、Walmartが提供する重要なサービスの一部ですが、Walmartが提供するサービスはそれだけではありません。他にもさまざまな取り組みをしています。しかし、「Walmart+」に加入するお客さまに対しては、できる限り最高の体験を提供したいと考えています。(ファーナー氏) └──────────