阪神・青柳晃洋、メジャー挑戦を電撃表明 球団がポスティング容認 マイナー契約も辞さず
ここ2年の実績を考えるとメジャー契約を勝ち取る可能性が少ないのは百も承知。マイナー契約なら今季年俸2億1000万円(推定)から100分の1以下になるかもしれない。どん底からはいあがる-。9年前と思いは同じ。青柳はメジャーの舞台に立つという夢に向かって挑戦する。(三木建次)
■青柳 晃洋(あおやぎ・こうよう) 1993(平成5)年12月11日生まれ、30歳。神奈川県出身。川崎工科高から帝京大を経て、2016年ドラフト5位で阪神入団。21年と22年に2年連続で最多勝と最高勝率、22年は最優秀防御率も獲得した。21年東京五輪代表。通算154試合登板、61勝47敗、防御率3・08。年俸2億1000万円。183センチ、82キロ。背番号「17」
■ポスティングシステム プロ野球から海外フリーエージェント権を取得する前に米大リーグに移籍する制度。当初は最高入札額の球団が独占交渉権を得たが、現在は譲渡金支払い意思のある全球団と交渉できる。大リーグに申請して30球団に通知された翌日から原則30日間交渉可能。2019年オフの菊池涼(広島)や20年オフの西川(日本ハム)、菅野(巨人)のように交渉が成立せず日本球団に残留する場合もある。日本球団への譲渡金は選手が契約で保証される額により変動する。
★メジャーのスカウトは?
青柳のメジャー挑戦に米球界関係者も驚きを隠せなかった。阪神での投球を定期的にチェックしていたナ・リーグ球団のあるスカウトは青柳について「クイックが巧み。投げ方が独特でメジャーにはいないタイプ」と評価。「うまくいけば牧田(2018年にパドレスで中継ぎとして27試合に登板した下手投げ右腕)のような活躍ができるのでは」と語った。
★阪神・嶌村球団本部長「意気込みを汲んだ」
阪神・嶌村球団本部長は高知・安芸球場で取材に応じ、青柳のポスティングシステムを利用しての米大リーグ挑戦を容認したことについて「藤浪君のときもそうでしたが、選手の気持ちとか意気込みを汲んだ」と説明。藤川監督の了解も得たうえで判断したことを強調。「彼とも話をさせていただいて、背中を押してあげることができるな、と(考えた)」と明かした。