【適度な不一致】カンロ✕老舗銭湯「堀田湯」異色コラボ「おやっ」と思わせる驚きが印象を強化…若者「喉あめ離れ」に“ととのい”体験を提供
異色コラボが生む「適度な不一致」で印象に残る
「Live News α」では、一橋ビジネススクール教授の鈴木智子さんに話を聞いた。 堤礼実キャスター: 異色のコラボレーション、どうご覧になりますか。 一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん: 差別化を推進し、競争優位性を生み出すためには、特別なブランド体験を提供することが、ますます重要になっています。 「のど飴」のいたわりを、体全体で感じることができる銭湯は、まさに、特別な体験ですよね。 今回の取り組みのように、ブランドのコンセプトを体験を通じて伝えることは、効果的なマーケティングコミュニケーションだと考えられています。 堤キャスター: 「のど飴」とのコラボ相手が、どうして銭湯だったのでしょうか。 一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん: 確かに、異色のコラボかもしれません。ただ、よく考えると、カンロの「健康のど飴」と今回の銭湯には、ハーブという体に優しい共通項があります。 意外な組み合わせだけど、ちゃんと通じるところがあるこうしたコラボは、ブランド論では「適度な不一致」と呼ばれています。 堤キャスター: その「適度な不一致」によって、どんな印象を与えることができるのでしょうか。 一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん: 完全に一致していると、当たり前で印象に残りづらいです。逆に完全に不一致だと、違和感が強くなります。 その中間にある「適度な不一致」の場合、「おやっ」と思わせる驚きがあるため、消費者の印象に残りやすいのです。 例えば、緑茶カテキン入りの制汗剤は典型的な「適度な不一致」の例です。緑茶に含まれるカテキンは、殺菌作用を消費者にイメージさせるため、異なる分野への活用でも納得感を与えています。
共通のパーパスが生む共感と信頼のブランド体験
堤キャスター: 特別なブランド体験を、異色のコラボレーション「適度な不一致」によって、成功させるための鍵はどこにあるのでしょうか。 一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん: 今回の取り組みでもそうですが、ここで問われるのは、なぜ、その企業が存在してるのかを表すパーパスと一貫しているかどうかです。 カンロは「心がひとつぶ、大きくなる。」この瞬間を積み重ねて、人と社会の持続可能な未来に貢献することを掲げています。 一方の老舗銭湯「堀田湯」も、「街を、温める」ことを大切にしています。どこか似たパーパスを持つ両者が、ハーブを通して響き合うことで、今回の取り組みに本物感を与えている訳です。 堤キャスター: 銭湯で心地良さを感じつつ、ハーブを通じていつもと違った体験をする。こういった機会が自分自身をいたわるきっかけにもなるのかもしれませんね。 (「Live News α」11月14日放送分より)
Live News α