トライアウトで150キロ連発!元ロッテの島孝明の剛球復活に感動【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.45』】
ロッテ3年間では一軍登板なしで引退 5年後に復活!
しかしロッテではフォームを崩し、1年目は二軍戦でわずか3試合で防御率43.20、2年目は二軍11試合で防御率10.80、3年目は二軍20試合で防御率2.00と好投を見せますが、戦力外通告を受けます。球団は育成契約を打診していましたが、本人は引退を決断。国学院大に進学します。 このニュースを聞いて、引退することよりも、フォームを崩し、全く持ち味を出せず、一軍登板なしがショックでした。5年後、久しぶりに島投手の名前を聞くことになりました。 島投手のトライアウトの最後に登板。どのくらいのものかを見ていたら、いきなり148キロをマーク。その後はみるみると球速を上げて、最速151キロを計測しました。結果は四球、詰まった右前安打でしたが、高校時代の速球を思い出す投球でした。トライアウトが終わると、多くの報道陣に囲まれている姿がありました。引退後、動作解析をしていたという島投手。普段は145キロ前後で、想像以上に球速が出たといいます。 取材が終わり、島投手とは球場の入口で挨拶しました。筆者が高校時代の島投手について書いた記事を読んでいたようで、感激しました。翌日、島投手から感謝の思いを綴ったメールをいただき、律儀な人柄が伝わってきました。 島投手の速球はまだ現役の右投手と比較しても上回るものがありました。引退してからの5年間、いかにしてここまでの状態を取り戻すことができたのか。なぜ21歳で引退したのか、今後の展望などいろいろ追いかけていきたい野球人です。 今後、トライアウトは選手会が主催して行うのか、検討するということです。プロ野球の合同トライアウトは、NPBを経験した選手しか参加できない特別なイベントです。電撃参加した元巨人の陽岱鋼選手は最後かもしれないということで参加したと聞きます。 一つの会場を介してNPB経験者のプロ野球選手、メディア、独立、社会人野球など各カテゴリーのスカウト、ファンをつなぐ貴重なイベントでもありますので、違う形で開催は続けてほしいと思います。