「仕事がうまくいかず、逃げたい気持ち」を3つに分解して対処する方法を教えます
2.SNSで広がった「逃げてもいい」への誤解
今では、「しんどいときは逃げてもいい」という考えが一般化していますが、吉本NSC生と対話をしていると、以前にくらべて「逃げる=自分に合わないと感じたらすぐ辞める」という思考の人が増えているように感じます。 もちろん、心を病むぐらいなら辞めたほうがいいでしょう。しかし、押さえておきたいのは“アドバイスをしている人は、逃げたあとの面倒はみてくれない”ということ。 「逃げろ! そのあとはオレが食わしてやる」という男前さんの言葉なら真に受けるのも一興ですが、現実は、あなたが離職しても「あとは自力でヨロシク!」の人がほとんど。 大切なのは、「逃げたい=辞める」を直結させるのではなく、スタバのコーヒーのサイズが4種類あるように、自分に降りかかっている“重圧のサイズに合わせた逃亡先をつくる”こと。 例えば、知人の一流ヒットメーカ―は、「小旅行があるなら、小逃亡があってもいいよね」が口ぐせで、プレッシャーに合わせた逃避行先をいくつも持っているけど、仕事は絶対に辞めない。 成功者がSNSで発信する「逃げろ」の本質は、こういった姿勢でもあるので誤解しないようにしましょう。
3.「やらなければいけない仕事」に対する思考法
最後に、僕にも「逃げたいけどやらなきゃダメな仕事」はたくさんあります。 年間1000をこえる締め切りに追われる仕事をするうちに分かってきたのは、“人は「やらない理由」を考えたがる生き物”だということ。 「今日でなくてもいい」とか「発注者のオーダーが曖昧すぎる」とか、一度「やりたくない」と感じたら、何かと理由を生産して「やらない」に着地しようとする。 そして、「やる」から距離をおいていくうちに、“それが難しい仕事のように思えてくる”から厄介なんですね。 やらなきゃと感じた仕事は、この「遠ざける=難しく感じてくる」を回避するために、最初の3行を書いてみましょう。すると案外スラスラやれたりするのでおススメです。 ではまた来週、別のテーマでお逢いしましょう。 桝本 壮志/Soushi Masumoto 1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出。
COMPOSITION=古澤誠一郎 TEXT=桝本壮志