自己ベスト40秒以上更新も「まだエースではない」 城西大学・平林樹主将、駅伝シーズンは「エース区間で戦いたい」
5月9日の関東インカレ1日目に行われた男子1部10000m決勝で、城西大学主将の平林樹(4年、拓大一)が日本人トップの2位に入った。チームメートのヴィクター・キムタイ(3年)とのラスト勝負を制し、自己ベストを40秒以上更新する28分03秒13のタイムをマークした。 【写真】レース直後、キムタイと健闘をたたえ合った平林樹
ラスト勝負を制し大幅自己ベスト更新
昨年の結果で城西大は1部に昇格し、これまでと違う大学の選手たちと走ることになった関東インカレ。レースがスタートすると早稲田大の伊藤大志(4年、佐久長聖)が先頭に立ち、平林は大集団の後方に位置をとった。1600mをすぎると山梨学院大のジェームス・ムトゥク(3年)とキムタイが先頭に立ち、レースを引っ張る。 その後ムトゥクが抜け出しその後ろに2位集団という形で進んだが、3800m付近で東海大の花岡寿哉(3年、上田西)がいっきに抜け出しムトゥクについた。その後花岡は少し離され、ムトゥク、花岡、キムタイがそれぞれ単独となった。平林は徐々に位置を上げ、この時点で4位集団についていた。 このまま花岡が日本人トップを取ると思われたが、8200mほどで花岡は集団に吸収され、独走するムトゥクを追う2位集団は花岡、平林、キムタイ、東洋大の石田洸介(4年、東農大二)、中央大の溜池一太(3年、洛南)、順天堂大の玉目陸(1年、出水中央)の6人に。 ラスト1周となったところで平林はキムタイとともに前に出て、2人のスパート合戦となった。平林は残り200mほどのところでキムタイを抜くと、トップのムトゥクにも1秒以内に迫る2位でゴール。レース後はキムタイと健闘をたたえ合った。
順位もタイムも、うれしいけどびっくり
レース後、タイムと順位についての感想を求められると「順位もタイムも、こんなに出ると想像してなかったので、うれしいですけどびっくりしました」とまだ実感がわいていない様子。 櫛部静二監督からは「タイムのことは気にせず、下位入賞を目指して後ろから拾っていったらいいから」と言われていた。その通りに自分の余裕あるペースでいける集団を見つけて、「とりあえずついてけばいいや」と思ってレースを進めた。 キムタイとのラスト勝負になった時、「ヴィクターは200m切ったぐらいからスパートをかけるので、ちょっと早めに出れば多少揺さぶれるかな」という気持ちで250mから勝負をかけた。その戦略がぴたりとはまった結果になった。客席からは『ゾンビネーション』のメロディに合わせた大音量の城西コール。走っている間も聞こえたといい「(応援のおかげで)頑張れましたね」と話す。