「オオタニは最初、チームの平均値以下だった。でも…」エンゼルス元コーチが振り返る「ジャンプ力測定での出来事」 来季以降も“MVPが期待”できるワケ
二刀流の大谷を“指導”なんてできない。しかし…
筆者は2022年にドライブラインを取材した。 建物自体は殺風景な大きな倉庫のようだが、壁にはこの施設を利用しているメジャーリーガーのユニフォームが飾られていて、そこには大谷のものもあった。施設内を案内してくれた人は、このような話をしてくれた。 投打の二刀流で、さらにメジャー史上に残る活躍をしている大谷を、選手としては何の実績もない人が“指導”するなんてことはできないとし、しかし「データがどのようにすればよいのかを教えてくれるのだ」と続けた。 もちろん、テクノロジーとそれによるデータが最適解を示しても、そこに近づくように身体を動かさなければいけない。大谷は負けず嫌いでハードワーカーだ。 エンゼルスで2017年から2021年1月までパフォーマンス統合コーチをしていたライアン・クロティンにオンラインで話を聞いたとき、クロティンは大谷の活躍の理由を「全てにおいて、オオタニがとても負けず嫌いであること」とした。 そして、それを表すエピソードを紹介してくれた。エンゼルスが大谷と契約したのは2017年12月。エンゼルスは、大谷との契約前にいくつかテストをし、ジャンプ力も測定した。 このときの大谷のジャンプ力の数値は「チームの平均値以下」だったそうだ。しかし、大谷はどの程度がベストの数値と見なされるのかを知りたがった。チーム合流時に再び測定したところ、1度目に測定したものよりも5インチ(約12.7センチ)も伸ばしてきた。 その後、チームからの提案によって筋肉のパワーアップ発揮を増大させる効果があるとされるプライオメトリックトレーニングを取り入れたところ、さらに3インチ(約7.6センチ)伸ばし、チームの上位2%以内に入ったというのだ。 さまざまなデータをとってもらい、その数値の意味を理解し、負けず嫌いを発揮して、貪欲に上を目指す大谷の姿が浮かび上がってくる。
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