空港の安全を守っていた技術が、次は果物を守ります。高周波で鳥の侵入を防ぎ、バ－ドストライク防止に役立っていた装置が、島根県安来市の果樹園に導入されたのに合わせ、開発者が県の職員などに仕組みを説明しました。 高周波を発してカラスなどを寄せ付けない効果が期待できる「バードソニック」。岡山理科大学の辻維周教授が開発協力し、山梨県の会社が商品化した装置で、航空機に鳥が衝突する「バードストライク」対策として鳥取空港や石見空港など全国各地の空港で力を発揮しています。 今回、設置されたのは空港ではなく安来市の果樹園。この果樹園では梨やミカン、スモモなどを栽培していますが、カラスによる被害に悩まされていて、この装置が他の県の果樹園で効果を発揮していることを知り、山陰で初めて導入しました。 果樹園経営・高橋正行さん： 9月1日に設置して、カラスの被害が無くなりました。効いているのかなという感じです。カラスが10羽程度、毎朝遠くから梨園を見ている感じです。 17日にこの装置の普及を目指す辻教授が現地を訪れ、島根県や安来市の職員などに仕組みや効果を説明しました。 岡山理科大学・辻維周教授： これは脅かすのではなくて、あくまでも嫌な音で音のバリアを張って寄せ付けないようにするものです。北海道なんかではいくつもの農家さんが連携して付けてます。忌避はできています。こちらでももう少し普及すれば、農家の役に立てるのではないかと思っています。 辻教授によると、バードストライク対策として導入した石見空港では、2023年4月に設置してから滑走路へのカラスの侵入はほとんど確認されなくなったということで、「バードソニック」が果樹園でも効果を発揮し、地域の農業を守る一助となってほしいとしています。