【日本ハム】現れたガッツマン 近年固定できていなかった遊撃レギュラーへ 「期待しているよ!」
2年連続最下位から2位フィニッシュと大躍進を遂げた今季の日本ハム。 開幕から様々なドラマが生まれた中で、今回は存在感を示した水野達稀のシーズンを振り返る。 【動画】好投の種市をついに攻略!日ハム水野達稀が2点適時三塁打を放つ JR四国から21年3位入団。プロ3年目の今季、春季キャンプは2軍スタートとなった。しかしキャンプ序盤から行われた紅白戦で攻守にわたるアピールが認められ、キャンプ中盤から1軍への昇格を果たした。オープン戦でも結果を残し、開幕戦は「7番・遊撃」でスタメン出場。 すると、開幕直後、3月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)で9回一死から勝ち越しタイムリーをマーク、存在感を放つ。 5月12日のロッテ戦(エスコン)では同点の9回一死満塁の場面で打席が回ると、ライトへプロ初となるサヨナラ打を記録。恒例の勝利の一丁締めでは「これが今年のファイターズです!」と言ってのけたことも話題を集めた。 その後も着々と階段を上がった。5月15日の西武戦では本田奎佑からプロ初本塁打を放つと、21日のオリックス戦では勝ち越しとなる2号2ランを放つなど、攻守にわたって光を放ち続けた。 しかしそんな水野の最大の試練となったのは6月21日の楽天戦(エスコン)、走塁中に右足首を負傷。右足関節外側靭帯(じんたい)損傷でゲーム復帰まで4~6週間と診断された。チームを盛り立てていたガッツマンの離脱にはファンからも一斉に嘆きの声が漏れた。 開幕からアピールを続けた中で無念の離脱。しかし、不屈の男はあきらめなかった。リハビリとファームの実戦を重ね、8月6日の楽天戦(楽天モバイル)で本格復帰すると、復帰3戦目でマルチ安打を記録。 大きく注目を集めたのは8月14日のロッテ戦(エスコン)のプレーにもあった。2回、敵失で1点を勝ち越し、尚も無死二、三塁の好機に伏見寅威は初球、ひざをつきながら投前に転がし、スクイズを成功させる。さらに一死三塁で次打者の水野も、伏見と同じくひざをつきながら、初球スクイズを成功させたのだ。ベンチの新庄剛志監督も会心のガッツポーズを見せるなど、今季のチームの勢いを象徴させるゲームともなった。 さらに翌日の15日のロッテ戦では、決勝2ランを放ち、2夜連続でお立ち台に上がると、翌日の16日のオリックス戦(京セラ)でも適時打をマーク、3試合連続打点をあげるなど、チームに欠かせない存在となっていく。 9月に入っても10日の西武戦(エスコン)では両軍無得点で迎えた9回二死からサヨナラタイムリーをマーク。この試合、途中出場となった水野が9回まで失点を許さなかったエース・伊藤大海の熱投に応える劇的な一打を放つと、球場も大歓声に包まれた。22日のオリックス戦(京セラ)でも、難敵・宮城大弥相手に、値千金となる逆転2ランを放ち、チームの勝利に貢献。 そして、自身初めての出場となったCSでも躍動感あふれるプレーを見せた。ロッテと戦ったCSファーストSでは3戦全てでヒットを放ち、ファイナル進出を決めた3戦目では7回に試合を決める勝ち越しの2点適時三塁打をマークとチームを前に進める原動力となった。 途中怪我がありつつも今季は105試合に出場、打率「.220」、7本塁打、37打点、リーグ2位の8三塁打と長打力も光った。キャンプ前、遊撃の筆頭候補には上川畑大悟の名前もあがっていたが、実力で出場機会を増やしていった。 来季、遊撃レギュラーを不動にするためには、打撃面でさらなる進化も求められる。攻守にガッツあふれるプレーを見せた24歳内野手には「期待しているよ!」とファンから応援の声もあがる。来季の活躍も楽しみにしたいところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]