シンガポールの不動産大手、積水ハウスと共同で「複合施設」開発へ
シンガポールの不動産開発大手フレイザーズ・プロパティは11月18日、日本の積水ハウスと共同で、シンガポール中心部のサービスアパートメントを高級住宅用コンドミニアムに再開発する計画を発表した。 敷地面積が9103平方メートルのこの物件は、ラッフルズ・プレイスのビジネス地区の最寄りであるロバートソン・ウォークに位置しており、住宅エリアと商業エリアを含む複合施設に再開発されるという。 「当社は、ロバートソン・キーの中心部にあるこのエリアで最も高い収益を引き出す機会を見出した」とフレイザーズ・プロパティ・シンガポールのスーン・スーリンCEOは声明で述べている。 プロジェクトの出資比率は、フレイザーズ・プロパティが51%で、積水ハウスが49%とされている。両社は2011年からシンガポールやオーストラリアで共同プロジェクトに取り組んでおり、最近では不動産サービス会社のシティ・ディベロップメンツと共同で、シンガポール北中部のトアパヨ地区に777戸のコンドミニアムを開発するための合弁事業を設立した。 ロバートソン・ウォークのプロジェクトは2028年の完成予定で、2万6371平方メートルの住宅スペースに348戸の高級アパートメントを建設し、4293平方メートルの商業スペースを設置しようとしている。シンガポールのRHB銀行のアナリスト、ビジェイ・ナタラジャンによれば、プロジェクトの建設費は土地代を除いて最大5億シンガポールドル(約580億円)に達する可能性があるという。 シンガポールにおける高級住宅需要が高まる中で、美しい眺望が魅力的なこの物件の販売は、来年から開始される。「私たちのビジョンは、洗練されたライフスタイルの拠点を創出し、緑豊かな環境の中のコミュニティを提供することだ」とスーンは述べている。 フォーブスは、フレイザーズ・プロパティを所有する現在80歳のチャルーン・シリワタナパクディの保有資産を114億ドル(約1兆7700億円)と見積もっており、彼をタイで3番目に裕福な人物としている。フレイザーズは、オーストラリアや中国、ヨーロッパ、東南アジアで不動産事業やホテル事業を展開している。 チャルーンは、「チャーンビール」の製造元のタイ・ビバレッジや、バンコクを拠点とするホテル開発会社アセット・ワールド・コーポレーションも所有している。
Ian Sayson