「若者はパソコンを持っていない」のは本当? Z世代のパソコン所有率はどれくらい?
スマホが9割普及したら「パソコンは不要」?
先ほども触れた日本インフォメーションのZ世代の情報収集・SNS利用についての調査によると、Z世代のスマホ所有率は86.8%。約9割がスマホを持っているということになります。パソコンの所有率が27.8%であることを考えると、非常に高い数字と言えるでしょう。10代にとっては、9割が所有しているスマホの方が身近であることは間違いありません。 Z世代のうち、特に10代にとってパソコンは「学校の授業で触るもの」もしくは「親の許可を得て、親のパソコンを短時間だけ使わせてもらうもの」にとどまっている可能性があるといえます。また、20代になると所持率が上がる理由は大学の授業のレポートを作るのに、ノートパソコンが必要であるからといった理由だと考えられるでしょう。 ■スマホやタブレットではパソコンに対して性能が不足する? 「デジタルネイティブ世代」に対して、その親の世代は「パソコンスキルの向上」、具体的にはプログラミングスキルの向上などを期待しがちです。また、せっかく情報端末を持たせているにも関わらず「性能が十分ではないのでは」「スマホやタブレットを触るだけでは、十分なIT知識も得られないのでは」と疑問に思う方も多いでしょう。 実際のところは、近年のモバイル端末のチップ性能の発展には、目覚ましいものがあります。たとえばApple A18 Proと、内蔵GPU付きCPU(APU)のロングセラーであるRyzen 5 5600GとRyzen 7 5700Gのベンチマークスコアを比較すると、結果は以下の通りです。
・Ryzen 5 5600G:19878 ・Ryzen 7 5700G:24555 ・Apple A18 Pro:12896 Apple A18 Proはあと一歩で、デスクトップ向けAPUである「Ryzen 5 5600G」に迫る性能。解像度を落とせばリッチなPCゲームでも「そこそこ遊べる」レベルです。 つまりモバイル端末が「デスクトップパソコン」に対して性能的に劣るとは、一概に言えなくなりつつあります。日常的な用途の範疇で言えば、パソコンではなくスマホやタブレットを中心に触るようになることはごく自然でもありますし「何故、持ち運びがめんどくさいパソコンを使う必要があるのか」と、子どもたちからすれば感じるでしょう。 「若者はパソコンを持っていないし、パソコンスキルが低い」「デジタルネイティブ世代と言われるが、実際は若者はITに詳しくない」といった点を問題視する場合、本当に問題なのは「若者がパソコンを触らない」ことではなく「スマホが中心となった社会なのに、IT知識の学習はパソコンが前提である」ことなのかもしれません。
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