そんな緻密なバランス調整があってか、Steamレビューやゲームメディアでは、 「原作をリスペクトした素晴らしいリメイク」 「リメイクへの心配が霧に隠れるような良作」 「本作はサイレントヒル2ファンへのラブレター」 など、発売前からの不安を感じる評判から打って変わって、惜しみない賛美が送られています。もちろん、オリジナル版をやっていないとわからないストーリーの伏線などは無く（ファンサービスはあったのかもしれませんが）リメイクから遊んでも全く問題がないのもうれしいポイントです。

そしてとにかく、ストーリーが素晴らしすぎる……！

当時は理解できなかった『サイレントヒル2』のストーリーですが、あまりの面白さにホラーゲームではあまり感じたことのない「美しい」という感情も湧き上がるほどでした。 「3年前に死んだ妻を探す」という一見意味の分からない目的の理由が終盤明かされると、ゲームプレイ中の「不安」「恐怖」「驚き」「面倒臭さ」「衝動」などのすべての感情に意味があったとすら思う感動が押し寄せてきます。 勿体なさすぎるのでこれ以上のネタバレは控えますが、このストーリーの巧みさはホラーゲームの垣根を超え、名作RPGなどと比較しても遜色のないものだと思います。主人公に感情移入し体験できる、ゲームならではの感動をたっぷりと味わうことができ、夢のような時間でした。 なぜ自分はオリジナル版を今までやっていなかったんだ……と悔しく思うと同時に、この素晴らしいリメイクで作品を楽しめたことに幸せも感じられました。 現代的に遊びやすく、愛を持ってリメイクされた同作をぜひプレイしてほしいと願っています。