1ヶ月の食費はどのくらいまでなら「セーフ」でしょうか? 仕事をしながらなのであまり自炊できていません。
自炊は食費の節約に効果的といわれますが、毎日仕事が忙しくて自炊する気力がない方もいるでしょう。しかし、食事をすべて外食にすると、1ヶ月の食費が大幅にあがってしまいます。 趣味や貯蓄にもお金を回したいため、普段の食費をできるだけ抑えたいと考える方は少なくないでしょう。そこで本記事では、1ヶ月あたりの食費における理想的な金額を算出します。 ▼職場のランチ代節約したい!「おにぎり」だけは栄養的にNG? 節約効果も検証
1ヶ月の食費の理想的な金額を算出
食費の目安を決めるうえで、「エンゲル係数」と呼ばれる指標があります。これは家計の支出における食料費の割合を表したもので、生活水準が高いほどエンゲル係数は低くなるといわれています。エンゲル係数が高いほど食費による生活負担は大きく、低いほど生活に余裕があるともいえるでしょう。 エンゲル係数は、具体的な適正数値が示されていません。個人のライフスタイルや1世帯の家族構成によって異なりますが、一般的におおまかな目安として20~24%とされています。 今回の検証にあたって、総務省統計局が定期的に実施する「家計調査」から単身世帯と二人以上の世帯の平均総支出と平均食費を抜粋し、算出したエンゲル係数と一般的な適正値とを比較します。 ■単身世帯の場合 2023年の単身世帯(勤労者世帯)の平均食費は月4万6391円、平均総支出は16万7620円でした。エンゲル係数の計算式は「食費÷総支出×100」で求められ、この場合のエンゲル係数は約27%です。エンゲル係数の一般的な適正値である20~24%を超えるため、食費が生活に負担をかけていると分かります。 仮に、毎月の総支出が15万円でエンゲル係数が家計調査と同じ27%の場合、単身世帯が食費にかけている金額は3万9000円です。適正なエンゲル係数を考慮した場合の食費は3万~3万6000円であるため、食費を3000~9000円程度削減しなりません。差額は1万円を下回るため、外食費用を抑えれば十分届く範囲といえるでしょう。 ■二人以上の世帯の場合 同資料によると、二人以上の世帯の平均食費は月8万6554円、平均総支出は29万3997円でした。この場合のエンゲル係数は約29%です。単身世帯よりも3%高いため、二人以上の世帯は単身世帯より生活に余裕がないと分かります。 仮に、毎月の総支出が25万円でエンゲル係数が家計調査と同じ29%の場合、二人以上の世帯が食費にかけている金額は7万2500円です。 エンゲル係数の適正値で計算すると、理想的な食費は5万~6万円です。健全な家計を目指すには毎月1万2500~2万2500円の食費を削らないといけないため、外食中心の生活では理想的な食費を目指すのは難しいでしょう。