部員増加で悲願の単独出場・東、公式戦初勝利ならず!中大杉並に中盤突き放され、逆転負け【24年秋・東京一次予選】
◇秋季東京都大会一次予選第10ブロック1回戦◇中大杉並7-2 都立東◇明星高校グラウンド◇8日 【動画】注目2年生の中学時代!佐藤龍月、森陽樹、福田拓翔など2025年ドラフト候補も! 昨秋は、部員不足で合同チームとしての参加を余儀なくされた都立東。しかし、大会後に入部希望者の加入、今年の4月には多くの新入部員が加入したことで、夏の大会もこの秋の大会も単独チームで参加できることになった。選手も、大会への単独チームの参加というところから、公式戦初勝利へ目標も上がってきている。そのために、夏休みは、限られた時間ながら可能な限り、練習試合なども積みながら取り組んできた。 中大杉並は中央大の付属校として人気のある学校だ。ただ、野球部活動としては取り立てて強化していこうということではなく、集まった部員の中で可能な限り戦っていこうという姿勢でもある。今年のチームの選手の1人には、中学時代は野球部に入っていたものの、この夏の大会後に「やっぱり野球をやりたい」ということで入部してきたという2年生もいる。 彼は夏休みの練習を頑張って、先発メンバーとして出場できるくらいにまでなったということだ。 そんな両校の対戦だったが、中大杉並が初回、2回と1点ずつを奪うと、都立東もその裏、5番橋本榮太選手(1年)の三塁打と7番小長井大将選手(2年)の中前打で1点を返して食い下がる。 そして、1点差のまま5回を終了。都立東の先発は橋本投手だったが、公式戦初先発ということもあってか、もう一つ制球が定まらず3回で外野に下がり、1番をつけて遊撃を守っていた飯島誠治投手(2年)がリリーフのマウンドに上がった。4、5回はピンチを作りつつもよく粘って0に抑えていた。「何とか公式戦で勝利を果たしたい」という強い思いも、ピンチを凌いでいく力を与えたと言ってもいいであろう。 しかし、整備明けの6回、1番からの好打順の中大杉並は1番清塚佑人選手(2年)の二塁打から2つのバントで追加点を挙げる。さらに先発して1失点に抑える好投をしていた降田竜太郎投手(2年)も6番打者として二塁打するなどしてもう1点追加。中大杉並は、さらに7回に1点、9回にも2点を追加した。こうして8回に食い下がった東を1点に抑えて、結果としては5点差の7対2で逃げ切った。 中大杉並・太田信一監督は、「初戦ということもあって、立ち上がりはちょっと硬いところもありました。それでも、序盤に点が入ったことで少しずつ落ち着いていったというところでしょうか。チームとしては、とにかく明るく元気よく、面白く楽しくやって行こうということです」と言う。 先発降田投手は6回1失点でマウンドを降り、その後は池田晴元投手(1年)と鈴木啓人投手(1年)と1年生投手コンビで繋いでいった。鈴木投手は力のありそうな左腕で、9回を3人三振で退けたのは見事だった。 東は、リリーフした飯島投手がよく堪えていたが、6回の失点が痛かった。藤田康平監督は、「公式戦で一つ勝つというのは、とても難しいですね。その厳しさをつくづく実感しています。今日は途中までは1点差で追いかけていて、返せると思っていたのですが、返し切れませんでした。非常に悔しいです」と振り返っていた。 この試合の会場となった明星グラウンドは、実は藤田監督にとっては縁起がいいところでもある。というのも、選手だった都立小山台時代にこの会場で秋季ブロック予選を戦い、21世紀枠代表として選出されるスタートとなった場所でもあったのだ。「何かの縁を感じていたんですけれどもねぇ…」と残念がっていた。