国内株で出遅れ感が強い中小型株の組み入れ比率が高まった「アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンド」
引き続き、日本経済や日本株が堅調に推移すると見込まれるとした上で、石原氏は「国内の中小型株が株価指標の面で歴史的な割安になっている」と指摘する。たとえば、国内の超大型株で構成される「TOPIX Core30」と「TOPIX小型」を比較すると、過去15年平均に対して「TOPIX小型」は20%程度割安な水準にある。また、昨今の賃上げの背景でもある国内の深刻な人手不足は、過去20年で最大といわれるが、過去には失業率が低下する過程では小型株指数が上昇したという経緯もあり、現在の人手不足が小型株への活躍期待を高めるとした。また、賃上げによって国内消費が活性化すると内需関連企業が多い中小型株の業績向上にもつながると期待していた。
「アムンディ・ジャパン・ターゲット戦略」は、国内の上場株式の中から株価が割安で財務の健全な企業をピックアップし、ボトムアップによる企業調査に加え、企業価値向上のための積極的な投資先企業との対話によって企業価値の向上に主体的にかかわっていくという投資行動をとる。株価の割安度の判定では、PBR(株価純資産倍率)を重視し、財務の健全性、株主還元余力の大きさなどからスクリーニングして200~300銘柄に絞り込む。その上で、年間900社におよぶ企業取材やエンゲージメントによって、「キャッシュの使い方」、「株主を向いた経営をしているか」、そして、「主要ビジネスの競争力」などを確認し、50~100銘柄でポートフォリオを構築している。
このような観点で構築したポートフォリオは2024年2月末現在、PBRはTOPIXの1.47倍に対し、0.81倍という割安水準にあり、修正負債比率もTOPIXの79.3%に対し、20.0%と財務の健全性も確保され、時価総額に対する配当可能比率もTOPIXの22.2%に対し、54.3%と株主還元余力も十分にある銘柄群でポートフォリオを構築することができている。そして、そのポートフォリオは、時価総額が200億円以上、5000億円未満の中小型株が75%程度を占めている。これは、TOPIXが時価総額5兆円以上という大型株が45%を占めているという構成とは明確に異なるポートフォリオになっている。