スイスの古豪“エクセルシオパーク”復活【エナメル文字盤が美しい】小顔な“38mm”の手巻き時計
エクセルシオパークは1866年にスイスのサンティミエに設立されたエボーシュメーカーで、20世紀初頭からクロノグラフムーヴメントのエボーシュとしてゼニス、ジラール・ペルゴなどにムーヴメントを供給したほか、自社ブランドとしても時計を製造した歴史をもつ。 【画像】艶やかなエナメル文字盤、手巻きムーヴメントの造形を拡大して見る 1983年から休眠状態に陥っていたが、ニバダ・グレンヒェンを率いるギョーム・ライデ氏によって2022年に復活し、復刻モデルを展開している。
今回注目した“EP 884-SI”は、創業地であるバーゼル地方の豊かな歴史と時計製造の伝統をオマージュしたノンデイト仕様の3針モデル。エクセルシオパークはクロノグラフを中心に実用機を手がけたが、1950年代に3針モデルも製造している。実用時計を製造したブランドの歴史を踏まえ、上品なドレスウオッチではなく、当時の実用3針時計の雰囲気に仕立てている点がマニア心をくすぐる。 印象的なのが文字盤だ。現代の時計ではスタンダードな機能であるデイト表示をあえて無くしており、クラシックな雰囲気を強調。時刻表示に機能を絞り込んだシンプルなデザインによって、アイボリーエナメル文字盤を際立たせている。
アラビア数字と 砲弾型を組み合わせた鏡面仕上げのニッケルインデックス、先端を曲げたブルースチール針、斜めにカットして薄く仕立てたラグなど丁寧な作り込みを施しつつ、アンティークの実用機がもつ、素朴な雰囲気を再現している点がとても魅力的だ。 ムーヴメントはスイス製の手巻きランデロンL21ムーヴメントを搭載。手巻きならではのコンパクトな設計により38㎜ケースの厚みは9.45㎜に抑えられ、スリムなシルエットを実現している。
文◎Watch LIFE NEWS編集部