山田勝己は「今でも荷重を背負って山道に…」“黒虎のエース”山本良幸(32歳)が語るミスターSASUKEとの出会い 最初の言葉は「強いな!でも…」
初対面の山田勝己からは「強いな!でも…」
亀パに通い始めてから約半年、2019年6月に山本は山田と初めて対面した。少年時代にその動きをまぶたに焼きつけたミスターSASUKEである。緊張してロクに話もできなかったが、山本の動きを見た山田からこう言われたのは覚えている。 「おお、強いな! でも出られへんで。黒虎の選考会もタイミングがあるし、俺のタイミングやからなあ」 山本は山田の下に毎週通った。黒虎はSASUKEに人生をかけた男たちの集団だ。真剣さ、思いの深さを示さなければいけない。本戦出場への道がまるで開けない状況にあって、まずは山田に認めてもらえなければ始まらないのだ。 しばらく通っても山田の言うことは変わらなかった。 「おお、頑張ってんなあ! 来年ぐらいに入団できたらええなあ。2年後、3年後になるかもわからんけど」 ただ、初対面から3カ月経つと、今度はこう言われた。 「選考会があるから顔出しいや。まあ出られへんけどな」 昔気質な山田なりの精一杯のラブコールだったのだろうか。いずれにしろ山本はこのチャンスを掴んだ。予選会で驚異的なパフォーマンスを見せ、伊佐とともに黒虎メンバー代表に選ばれた。27歳にして、ついにSASUKE初出場が決まった。本戦でも山本は初出場とは思えないパフォーマンスを発揮し、サードステージまで進出する活躍を見せた。
団長の山田からも「お前に懸けてよかった」
2022年には黒虎初の快挙となるファイナルステージ進出。この時、サードステージクリアを見届けた団長の山田は感極まった。山本に歩み寄って「ありがとう」と肩を抱き寄せた。 「団長、泣くのはまだ早いです」 「そら、嬉しいよ。嬉しいに決まっとうやん」 「お前に懸けてよかった」と男泣きする山田を見て「団長がいなかったらここまで頑張れなかったですし、ここまで強くなれたのは団長のおかげなんで」と山本も感謝した。 山田から「ミスター黒虎」とまで呼んでもらえるようになった山本だが、ミスターSASUKEの存在には、いまも「なぜSASUKEをやるのか」という原点を思い出させてもらっている。 「山田さんはね。ほんまに飾らない。テレビのままと言ったらいいのかな。こどもがそのままに大人になったような、すごいピュアなところがあるんです」 黒虎の定番練習メニューに坂道ダッシュがある。 黒虎の予選会でも坂道ダッシュは恒例種目。このメニューによってメンバーの体力が培われてきたのは間違いない。ただ、近年のSASUKEはもう少し専門的な技術が求められるパートもある。38回大会からは山田が現役に復帰したことで、山本はファーストステージの攻略法について団長に時おりアドバイスしているという。 「山田さん、ファーストステージはもう少しこういうイメトレしといた方がいいですよ」 「おお、わかった!」 そう力強く答えた後、山田は一目散に坂道に向かっていく。 「すごく頑固というか、これって決めている部分は絶対に譲らない。勢いと熱意。そのスタイルは絶対に崩さない。いまも荷重背負って坂道に行ってますからね。体力はもうあるんで『山田さん、必要なのはそこじゃないです! 』と言っても絶対に聞かない(笑)。そこは本当に山田さんですね。山田さんなりのSASUKEへの思い入れがある。すごいSASUKE愛なんですよ」 頑固一徹、猪突猛進。そこはなんとなくイメージ通りだが、一方で周囲が驚くような進歩的な目線も持ち合わせているという。 「サードの新エリアが出た時、バーティカルリミット.BURSTの研究でも、エリアを見ただけで核心をついたことをいろいろ言われてたんです。そのへんの見る目はすごいし、さすがです。ほんまにSASUKE好きなんやなと思いますね」 そんな山田率いる黒虎のエースの座を確たるものにした今、山本は新たな挑戦に踏み出した。近代五種競技でのロサンゼルスオリンピック出場である。パリオリンピックでは自衛隊の佐藤大宗が日本勢初の銀メダルを獲得して注目された競技だ。
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