中日・勝野昌慶、『超・火の玉ストレート』習得目指す 真っすぐの握り変更、阪神・藤川監督のスタイルで勝ちパターン入りへ
中日・勝野昌慶投手(27)が7日、真っすぐの握りを変えたことを明かした。阪神監督に就任した藤川球児さん(44)と同様に、人さし指と中指をくっつけて握るスタイル。今季、球団日本人最速となる158キロをマークした右腕は火の玉ストレートを超えた超・火の玉ストレートの習得を目指して、実りの秋を過ごす。 うなりを上げた白球が力強くミットを鳴らした。中日屋内練習場のブルペンで勝野が腕を振る。「まだまだバラバラな感じ」と首を横に振った右腕は新たな取り組みの真っ最中だった。 変えたのは、真っすぐの握り。これまでは指一本分空けていた人さし指と中指をくっつける握りに挑戦。「回転数を上げるため」。勝野が取り組む握りは、ボールにスピンをかけやすいため、球速や回転数が上がるとされる。究極系は阪神で守護神を務めた藤川さんだ。まるで浮き上がるような直球は”火の玉ストレート”と形容されたウイニングショットだった。
勝野が取り組むきっかけとなったのは、8月1日に2度目の出場選手登録を抹消されたときだ。「真っすぐの球質を改善したい」と方法を模索。行き着いたのが、藤川さんの握りだった。ファームで汗を流しながらキャッチボールなどで試投。少しずつ感覚をつかみ、シーズン終盤に再昇格した際にも投じた。数値にも表れ、1分間に2100前後だった回転数は、最高2400回転を記録するようになり、平均でも100回転ほど数値が上がったという。 今季は4月2日の巨人戦(バンテリン)で球団日本人最速の158キロをマークするも、安定感を欠き39試合の登板にとどまった。1勝1敗、7ホールド、防御率は3・51。「真っすぐがよくなかったことが大きい」。言葉の通り、直球の被打率は昨季の2割1分4厘から2割8分4厘に跳ね上がった。球質の改善は、勝ちパターン入りに向けて取り組まねばならない課題だ。
中日スポーツ