（ブルームバーグ）： 非常に強い台風10号は29日にかけて九州南部に接近し、その後九州に上陸すると予想されている。気象庁は特別警報を発表する可能性があるとしており、交通機関への影響も拡大している。

気象庁の発表によると、台風10号は28日８時45分時点では鹿児島県奄美市の北北東約90キロをゆっくりした速さで北西へ進んでいる。鹿児島県に暴風、波浪、高潮特別警報、九州南部に大雨特別警報を発表する可能性があるとして、最大級の警戒を呼びかけている。

ＡＮＡホールディングス傘下の全日本空輸によると、台風の影響で宮崎・鹿児島発着便などで28－30日に計80便が欠航となる。5000人超に影響が出るという。そのほか日本航空が国内線を中心に28－29日に計148便、スカイマークが28日に４便を欠航すると公表した。

ＪＲ東海は東海道新幹線が30－31日にかけて一定期間全線あるいは一部区間で計画運休や長時間の運転見合わせなどを実施する可能性があるとしている。ＪＲ西日本は山陽新幹線について29日から31日の一定期間同様の措置を取る可能性があると発表したほか、北陸新幹線で30日以降に大幅な遅れや運転取り止めが発生する可能性があるとしている。

大雨や暴風による企業の工場や設備、住宅への被害も懸念される。ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、スティーブン・ラム氏らはリポートで、台風10号により国内損害保険会社には1000億円超の保険金の支払いが発生する恐れがあるとの見方を示した。

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