「新車を買う」と狙われる?…「税務調査」のターゲットになりやすい人の特徴【税理士の助言】
経営者や個人事業主にとって、面倒な税務調査はできるだけ避けたいところです。巷では「新車を買うと税務調査の対象になりやすい」といわれていますが、実際のところ、どうなのでしょうか? 今回は、税理士法人松本が、新車を買う際に注意したいポイントや税務調査の対象になりやすい人の特徴、万が一の税務調査に備えた対策について解説します。 親の資産を知りたい…親が“警戒せずに”教えてくれる「見事な切り出し方」【マンガ】
「新車を買うと税務調査の対象になる」って本当?
新車を購入したからといって税務署の調査対象になるわけではありません。車の購入や保有は、多くの事業において必要性が認められることから、その費用を経費として計上することが可能ですが、最終的な判断を行うのは税務署です。 基準が明確になっているわけではありませんが、適切に経費計上されていることや支出が事業の収益に対して妥当であるかなどが重要です。 たとえば、年間収益が1,000万円の事業で800万円の車を購入した場合、収益に対して支出が過大とみなされる可能性があります。 このように、新車を購入後に適切な処理をしないことによって、税務調査の対象となってしまい、結果として経費として認められないリスクがあるのも事実です。
自動車保険、駐車場代…「経費」にできる新車関連費用5つ
経費にできる新車関連の費用については、以下の5つが挙げられます。 ・ローンの金利 ・自動車保険 ・税金 ・維持費 ・駐車場 それぞれの費用について解説していきます。 ローンの金利 事業用に新車をローンで購入した際、返済額のうち金利部分は「支払利息」として経費として計上することができます。 たとえば、ある月に支払ったローンの金額が4万円で、内訳が元本3万5,000円、利息5,000円であった場合、この5,000円の利息部分が経費として認められることになります。一方で、元本部分については負債として扱われるので、直接経費には含まれません。 しかし、車両の購入費用については減価償却を通じて、使用可能な年数に応じて毎年少しずつ経費として計上することが可能です。 自動車保険 車を運転する際には、自賠責保険と任意の自動車保険に加入する必要があり、「損害保険料」として経費処理が可能です。自賠責保険については、複数年分をまとめて支払った場合でも、その支払いを行った年に全額を経費として計上できます。 一方で、任意の自動車保険に関しては、数年分を先払いした場合、経費に計上できるのはその年に対応する部分のみとなります。 残りの保険料は、翌年以降の経費として計上する必要があるので、注意して処理するようにしましょう。 税金 経費にできる新車関連の費用について、以下の税金についても計上が可能です。 ・自動車税 ・軽自動車税 ・自動車重量 ・税環境性能割 上記の税金は、会計処理の際に「租税公課」という勘定科目で処理することが可能です。 法人が支払う税金にはさまざまな種類があり、そのなかには経費として処理できるものと、できないものが存在します。しかし、車に関する税金については、経費として計上できるため、正確に把握しておくことが重要です。 維持費 車を所有すると、維持のためにさまざまな費用がかかりますが、経費として処理することができます。たとえば、ガソリン代や修理費、ETC利用料、洗車代、さらには車検に関する費用もあります。 車の維持費は、経費として「車両費」や「消耗品費」などの項目で処理するのが一般的です。特に、車に関連するすべての支出を一元管理したい場合、「車両費」としてまとめることも可能です。 タイヤの交換やオイルの購入など、車の維持に必要な消耗品も「車両費」に含めることで、全体の支出をしっかりと管理することができます。 駐車場 車を保管するために駐車場を借りる場合、その費用は「地代家賃」として経費に計上できます。また、営業用の車両を頻繁に使用している場合、コインパーキングを利用する際の費用は「旅費交通費」や「雑費」として処理することが可能です。 注意点として、これらの駐車場の利用は必ず事業活動に関連している必要があり、使用目的を明確にしておくことが重要です。