イスラエル首相、占領下のゴラン高原は「永遠にイスラエル領」
【AFP=時事】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は9日、イスラエルが約60年間にわたって占領しているゴラン高原について、永遠にイスラエルの一部だと述べた。 【写真】ゴラン高原のイスラエル占領部分とシリアの他の部分の間の緩衝地帯進むイスラエル軍戦車 イスラエルは1967年の第3次中東戦争(6日戦争)でゴラン高原をシリアから奪い、後に併合したが、国際社会は認めていない。 先週末、シリアでイスラム主義組織主導の反政府勢力がバッシャール・アサド大統領を打倒すると、ネタニヤフ氏は軍に対し、占領地と、シリアの他の部分の間に設けられた、国連(UN)の監視下にある緩衝地帯への侵攻を命じた。 国連とシリアはこの動きを非難。国連報道官は9日、イスラエルの行動は1974年の兵力引き離し協定に「違反している」と指摘した。 だが、エルサレムで同日記者会見したネタニヤフ氏は、次期米大統領ドナルド・トランプ氏が第1次政権時代、イスラエルによる1981年のゴラン高原併合宣言を認めたことに謝意を表し、その上で「ゴラン高原は永遠にイスラエルの一部だ」と発言。ゴラン高原の支配によって「わが国の安全と主権」が確保されると語った。 ネタニヤフ氏は8日には、兵力引き離し協定について、アサド政権の崩壊とシリア軍の拠点放棄により無効化したとの考えを示していた。 これに対し、イスラエルのギデオン・サール外相は9日、緩衝地帯の占拠は「安全上の理由に基づく限定的かつ一時的な措置だ」と説明。 同盟国米国のマシュー・ミラー国務省報道官も、イスラエル軍による占拠について「恒久的なものではない」と理解していると述べた。その上で、「われわれが最終的に目指すのは、イスラエル、シリア間の永続的な安定であり、そのためには兵力引き離し協定を全当事者が順守することを望む」と語った。【翻訳編集】 AFPBB News