ホストの売掛地獄を理由に「セクシー女優デビュー」する人も。“売掛の後遺症”に悩む女性が多いワケ
元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半が経過したところで引退を決意し、現在は同人作品やセクシービデオの脚本など、あらゆる方面で活躍中。 ⇒【写真】元セクシー女優で、現在はフリーライターの「たかなし亜妖」
ホストの売掛問題はセクシー業界にも…
ホストクラブの売掛とは要するに“ツケ”のことで、通常なら期限までに返済せねばならないもの。しかしここ数年、店が売掛の上限を決めなかったり、お客が返すアテもないのにどんどんツケたり、ホストが売り上げのために顧客に無理をさせるといった事案が多発。その結果、各地で様々なトラブルが起きてしまった。 徐々に話が大きくなり、売掛問題はニュースに取り上げられたほど。こうして2024年4月より、歌舞伎町のホストクラブは売掛制度が廃止される。 ただ「ツケ制度は見事になくなり、夜の街はクリーンに遊べるようになりました。めでたしめでたし……」とならないのが繁華街の恐ろしいところ。 売掛の後遺症はセクシー業界にも影響を及ぼし、“そのためだけ”にデビューへと至る女性が増えているという。
売掛制度が廃止になっても“チャラ”にはならない現実
2024年4月に売掛制度がストップされたのは事実だが、今まで溜まったツケがチャラになるわけではない。自分で飲み食いした料金なのだから、最後まで責任を持って支払う義務を課せられるのは当たり前の話である。 冷静に考えればわかることなのだけれど、悲しいかな売掛に売掛を重ねるタイプは感覚が麻痺しているので、渦中にいる時は危機に気づかないという。ハッとした頃には目の前にたんまりと溜まったツケが待ち受けており、“時すでに遅し”状態だ。 現実的な数字を目の当たりにし、このままでは払えないことを確信した女性は、最終手段と言わんばかりにセクシー業界へ足を踏み入れていく。
セクシー業界入りしても必ず返せるとは限らない
なお、売掛まみれの女性といっても、ホストクラブに通える経済力は持っているので、決して低収入ではない。ホストも明らかに返せないお客にはツケさせないため、売掛をきっかけにセクシー業界入りを決めるタイプは、ほぼ100%夜職の女性だ。 彼女たちはお金がほしいので、やる気は十分ある。事務所としてはありがたい存在だが、セクシー女優になったからといって完済できるとは限らない。まずオファーが来るかはわからないし、仮に大手メーカーの専属が決まっても、ツケの金額が相当なものだったら一回のギャラで全部は返せないだろう。 最近の例だと、一発ドカンとギャラをもらったのに「まったく完済の目処がたたず、夜のお店を掛け持ちしている。それでも終わらない」なんて話も聞いた。 もちろん女優デビューして売れっ子になり、長い目で見ると収入がマイナスからプラスになる流れも多いので、絶対に完済はムリだという話ではない。でも、すでに売掛まみれの女性は手がつけられない状況へ陥っているパターンがほとんど。1本出たくらいでは“足しにする”程度のものなのだ。