日本代表活動に終止符を打つ、バスケ・比江島慎のラストダンスを見逃すな
富樫勇樹「比江島がキャプテンなので不安です(笑)」
コート上では頼りになる存在だが、コートを離れると年下から容赦なくイジられる愛されキャラ。アジア杯予選に臨むチームでは中学時代以来となる主将に任命され「冗談だと思った」と戸惑った。 パリ五輪で主将を務めた富樫勇樹(31歳)は「比江島がキャプテンなので不安です」と苦笑い。練習前の円陣でかけ声が小さく、ムードメーカーの川真田紘也(26歳)から「フニャフニャと何を言っているか分からない。はっきり言いなさい」と突っ込まれた。 日の丸を背負うラストマッチの覚悟で臨むモンゴル、グアムとの2試合。クラブ、代表を通してプロ入り後、初めて主将マークを巻いて大一番を迎えるが「富樫や(渡邊)雄太のようなキャプテンにはなれない。プレイで引っ張りたい。最後なので楽しんで悔いの残らないようにしたい」と気負いはない。 集中力が研ぎ澄まされた時の比江島は誰にも止められない。 Bリーグでも日本代表でも何度も“比江島タイム”と呼ばれる爆発力あるプレーを続ける時間帯を目の当たりにしてきた。集大成となるラストダンスからも目が離せない。 比江島慎/Makoto Hiejima 1990年8月11日福岡県生まれ。6歳からバスケを始め、京都・洛南高校から青山学院大学に進み、4年時の2012年に日本代表初選出。2013年にアイシンシーホース三河(現:シーホース三河)に加入。Bリーグでは2017~2018シーズンにMVP。オーストラリアのブリスベン・ブレッツを経て、2019年に栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)に加入。W杯は2019、2023年大会、五輪は2021年東京、2024年パリ大会に出場した。191cm、88kg。
TEXT=木本新也