盛り土を含め「いろんな可能性を検討」専門家会議の平田座長が会見
東京・豊洲新市場の主要棟の地下で、土壌汚染対策の「盛り土」が行われていなかった問題で、都が再設置する専門家会議の平田健正座長(放送大学和歌山学習センター所長)が17日、都庁で記者会見を開いた。前提条件が崩れたので「再検討が必要」と述べ、今後の対策としては盛り土も含めていろんな可能性を検討するとした。 【中継録画】豊洲市場の盛り土問題で再設置の専門家会議 平田座長が会見
当事者の市場関係者に説明すべきだった
平田座長は2007年に設置された前の専門家会議でも座長を務めていた。小池百合子都知事が緊急会見を行う直前の10日朝、都から盛り土が行われなかったとの知らせを受けた際、平田座長は「盛り土がされていなかったんだ」と驚き、「これはまた専門家会議が招集される」という直感が脳裏をよぎったという。 当時の専門家会議では検討をの結果、2008年7月に建設用地の土を深さ2メートル除去し、その上に汚染されていない土を4.5メートル分盛る、という土壌汚染対策を都に提言した。しかし、その後の工事では青果、水産卸売場などの主要施設の地下で盛り土が行われず、「空洞」状態になっていたことが判明した。 盛り土が行われなかったことについて、提言をどう生かすかは都の裁量とする一方、「盛り土があるという前提がなくなったのだから、あらためて現在の安全性チェックが必要」と述べた。さらに、「提言内容と違ったことを行うなら、まっさきに市場関係者へ情報を開示するのが大事。話をする順番を間違えてはいけない」として、移転の当事者である築地市場の関係者への配慮が足りなかったとした。 専門家会議では今後、(1)地下空間の状態の確認と評価、(2)リスク管理上必要な対応策の検討、に取り組む。なぜ盛り土が行われなかったのかについて、都から説明を求めた上で、「改めてどうすべきかを議論するのが大きなミッションの1つ。盛り土も含めていろんな可能性を検討する」と見通しを語った。ただこれから持ち土をするのは物理的に難しいだろうと述べた。