あの娘たちは何も悪くないのに…65歳女性、父から1億3000万円の自宅を相続するも憂鬱な日々。原因は〈社会に潰された〉2人の30代の娘【相続の専門家が解説】
課題は2人の子どもの将来
恵子さんの父親は、保険の代理店をしており、母親も恵子さんもその仕事を手伝っていました。しかし父が引退してからは、母も恵子さんも辞めてしまったため、代理店は廃業。現在恵子さんは無職です。 2人の娘は30代。長女は介護系の専門学校を出てから就職しましたが、パワハラが原因で退職。いまだに体調が戻らず、社会復帰が難しいと言います。次女は中学生のころイジメに遭い不登校に。高校はなんとか卒業しましたが、ほとんど自宅にこもる生活をしており、2人とも仕事をして収入を得ることができていない状況です。 自分が亡くなった後、2人の子どもたちが生活していけるのだろうか。それが、恵子さんの悩みごとのようです。そこで、相続プランの委託を頂き、これからどうすればいいか、提案することにしました。
自宅の活用で収入を得る
恵子さんの財産の7割が自宅の土地です。140坪に自宅と畑という現状では、3人で暮らすにも効率が悪く、また収入もないため、持ち出し状態です。 そこで、「自宅土地の活用方法」をあげて、4つの選択肢を提案しました。 【1】自宅土地をそのまま残し、賃貸併用住宅を建てる 【2】自宅土地の奥半分を売却し、売れたお金で手前土地に賃貸併用住宅を建てる 【3】自宅手前を売却し、売れたお金で奥に賃貸併用住宅を建てる 【4】自宅土地を売却して、別の立地に自宅と賃貸不動産を購入する それぞれ、メリット、デメリットがあります。 【1】自宅土地をそのまま残し、賃貸併用住宅を建てる メリット 自宅土地はそのまま残せる家賃が入り返済もでき、手元にも残る デメリット 3階建ての賃貸併用住宅が建ち、建築費が4億円ほどかかる【2】自宅土地の奥半分を売却し、売れたお金で手前土地に賃貸併用住宅を建てる メリット 自宅土地の半分は残せる家賃が入り返済もでき、手元にも残る デメリット 土地が半分になり、地形も変わる【3】自宅手前を売却し、売れたお金で奥に賃貸併用住宅を建てる メリット 自宅土地の半分は残せる、家賃が入り返済もでき、手元にも残る デメリット 土地が半分になり、地形も変わる【4】自宅土地を売却して、別の立地に自宅と賃貸不動産を購入する メリット 借入のない自宅と賃貸不動産が持てるデメリット 住み慣れた土地から離れないといけない
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