【ダービー連載】ジャスティンミラノ“チーム友道”で万全仕上げ 調教担当・藤本純助手に聞く
<ミラノダービー道(3)> ダービーウイークが始まった。今年の3歳世代7906頭の頂点が決まる「第91回日本ダービー」(G1、芝2400メートル、26日=東京)。無敗の皐月賞馬ジャスティンミラノ(友道)の関係者に迫る。 ◇ ◇ ◇ ジャスティンミラノの調教を担当している藤本純助手(44)は、17年3月に友道厩舎へ入った。最初に担当したのが、18年のダービー馬ワグネリアンだった。皐月賞は1番人気で7着。苦い経験が今に生きる。 「皐月賞の失敗を見て、(ダービーで)結果を出せた調教過程がある。皐月賞の時は折り合い面を大事にした調教で、体が仕上がっていなかった」と当時を振り返る。ワグネリアンと比べて、ミラノは調教がしやすい馬。オーバーワークとの境目を見極めつつ、チームリレーでしっかりと調教を積んできた。 「これまで藤岡康太ジョッキーに乗ってもらって仕上げていた。『これ以上やったらよくない』と見極めてくれて、当週は馬なりにしたり。(荻野)琢真も康太もうちの調教をよく熟知してくれていて、的確な意見をくれるんです」。 そして、厩舎には風通しのいい雰囲気が漂う。「先生は『ああしろこうしろ』と言わない。意見を取り入れてくれるので調整しやすいですね」。普段の手入れなどを担当する山田助手は牧場時代の同期で、25年の付き合いだ。「山田さんの方が年上だけど、年下の意見も取り入れてくれる。なんでも言いやすいし、相談しやすい」と目尻を下げる。調教師とスタッフのスムーズな連携も調教のしやすさにつながっている。 友道厩舎では、皐月賞馬でダービーに挑むのは09年アンライバルド以来。もちろん、プレッシャーはある。それでも「調教師のことを尊敬していますし、結果で恩返しをしたいです」。歓喜の週末を迎えるために-。万全の仕上げで送り出す。【下村琴葉】 ◆藤本純(ふじもと・じゅん)1979年(昭54)12月17日、京都市生まれ。洛水高2年時に京都競馬場のスポーツ少年団で乗馬を始める。同3年時にインターハイで馬術団体戦ベスト8。卒業後、浦和競馬場で騎手を目指すが体重の問題もあり断念。牧場勤務を経て24歳で栗東トレセンの調教助手となる。