【東京ダービー展望】3歳ダート王の座に就くのはどの馬か? 筆頭格はJRA所属のラムジェット
[JpnⅠ東京ダービー=2024年6月5日(水曜)3歳、大井競馬場・ダート2000メートル] 昨年までは南関東3冠の2戦目として行われていた東京ダービーが、ダート競走の体系整備によって今年からJRA交流のJpnⅠとなり中央馬にも開放される。ダート3冠の2冠目として行われ、1着賞金は5000万円→1億円と倍額。出走できるのは地方馬12頭に対して、JRAは4頭のみ。1冠目の羽田盃勝ち馬アマンテビアンコ(牡・宮田)は左前脚に骨瘤が出たため回避となったが、全国各地から実力馬が揃った。3歳ダート王の座に就くのはどの馬か。 JRAの筆頭格はラムジェット(牡・佐々木)だ。昨年7月の新馬戦(中京ダート1400メートル)で勝ち上がると、暮れの寒椿賞を鮮やかに差し切ってオープン入り。出世レースのヒヤシンスSも3馬身差で制し、前走のGⅢユニコーンSも上がり3ハロン最速の末脚=37秒6で差し切った。距離が延びるにつれ、パフォーマンスがアップ。それだけに初の大井2000メートルも対応可能だろう。あとは初めてのナイターがどう出るかだけ。広い大井コースなら持ち前の末脚が存分に発揮されるだろう。 紅一点アンモシエラ(牝・松永幹)はJPnⅠ羽田盃で逃げて0秒2差の2着に粘った。3着馬には8馬身もの差をつけていたのは力の証しだろう。前走の勝ち馬がいない今回は、自分の形に持ち込めればチャンスは十分にありそうだ。 ユニコーンSで2着だったサトノエピック(牡・国枝)はダート転向後〈2・1・0・0〉と崩れていない。どこからでも競馬ができる強みがあり、スタミナも豊富。520キロを超えるパワータイプで大井の力を要す馬場も歓迎のタイプに映る。キタサンブラック産駒ならばタフな展開もってこいだろう。 ハビレ(牡・武井)は前走の羽田盃では4着に敗れたが、1コーナーでの不利が響いてのもの。距離延長が課題となりそうだが力量は確か。笹川翼の継続騎乗で反撃を期す。 地方勢も大一番で逆転劇を狙う。フロインフォッサル(牡・山下之)は羽田盃では最低人気ながら地方馬最先着の3着に善戦。末脚は確かなタイプだけに距離延長でさらなる前進があっても驚けない。シシュフォス(牡・佐藤太)は道営で3勝したのちに船橋へ移籍。SⅢクラウンCを含め3戦2勝と底を見せておらず、折り合いにも不安がなく距離延長もプラスに出そう。門別で何度も右回りを走っており、初の大井でも何の不安もない。今年すでに重賞4勝を挙げている森泰斗との黄金タッグで上位進出の可能性も十分に考えられそうだ。 マコトロクサノホコ(牡・川島一)はそのシシュフォス相手に前走のSⅡ東京湾Cを差し切った。新たな鞍上に名手・御神本を配し、どんな走りを披露するか。高知からは6戦6勝と底を見せていないシンメデージー(牡・打越勇)が参戦。小柄な馬体ながら先行力があってしぶとい走りが持ち味。輸送をクリアできれば侮れない存在となりそう。大一番に強い吉原寛の騎乗ぶりも興味深いところだ。他にも地方勢は、羽田盃5着のムットクルフェ(牡・的場直)や同7着のティントレット(牡・荒山勝)など伏兵陣が虎視眈々と上位進出を狙う。
東スポ競馬編集部