<選抜速報>智弁学園、エース村上が669球を投げサヨナラ打の初V!
センバツ高校野球の決勝が3日、甲子園球場で、55年ぶり決勝進出の高松商(香川)と初進出の智弁学園(奈良)の間で争われ、延長戦の末、智弁学園が2-1で初優勝を飾った。延長11回二死一塁から、投手の村上頌樹(3年)がセンターオーバーの一打を放ち、サヨナラ勝利。5試合を一人で投げきった智弁学園、村上の投球数は669球だった。
決勝は、プレーボール直後、高松商業の先頭打者、安西翼(3年)のライト線を破る二塁打から始まった。 ここまで4連続完投をしてきた智弁学園の先発、村上頌樹(3年)を攻める。続く荒内俊輔(3年)はバント。打球は投手の正面をつき、村上は反転して三塁へボールを送るが、タッチが甘くセーフ。記録は犠打野選となり、高松商が無死一、三塁のチャンスをつかんだ。だが3番のキャプテンの米麦圭造は、5-4-3とわたる併殺に倒れ、走者を三塁に残したまま、打率.438、1本塁打の主砲、植田響介(3年)に回ってきたが、ライナー性の打球が三塁正面。 熱戦の予感をさせる序盤に智弁学園が先にゲームを動かす。一死から投手の村上が、制球力が自慢の浦から四球を選び出塁すると、続く大橋駿平(3年)が、高めに浮いた甘いボールを見逃さずセンター前へ。一死一、三塁とチャンスを広げて、8番打者の中村晃(3年)がセカンドゴロに倒れたが、懸命に一塁へヘッドスライディング。併殺を崩す間に、三塁走者が先制ホームを踏んだ。 1点を追う高松商は、5回に同点機を作る。先頭、竹内啓人(3年)のショート正面への平凡なゴロが少しバウンドが変わったこともあって、太田英毅(2年)がファンブルした。浦大輝(3年)が手堅く送り、一死二塁としたが、9番打者の山下樹(3年)が三振。トップの安西が一塁ゴロ。4試合で防御率0.25を誇る村上の丁寧なピッチングを崩すことができない。 6回にも二死から植田響が右中間を破る二塁打でチャンスを作るが、弟の植田理久都(2年)が三振に倒れ、ゲームは、村上、浦、好投手2人の投手戦のまま終盤へ。 8回、高松商がついに追いつく。先頭の安西が一塁ゴロ。捕球した一塁手との競争となったが、俊足の安西が勝って無死一塁の走者を出した。荒内が送り得点圏に進め、米麦の初球を叩きつけた打球は、飛びつく二塁手の横をゴロで抜けてセンターへ。安西が一気に同点ホーム。さらに一死二塁と逆転機が続いたが、4番の植田は三振、5番の美濃晃成(3年)は打ち損じのキャッチャーゴロ。 その裏、智弁学園が反撃。一死から納大地(3年)の一塁ゴロを一塁手がはじく。それを見た納は二塁を狙うが、カバーした安西が素晴らしい送球で二塁で封殺された。だが、岡沢智基(3年)がレフト前、 太田英毅 (2年)も三塁強襲のヒットで続き、二死一、三塁。2年生4番の福元悠真も、三塁へ快音を残すが、このゴロは正面をつき、惜しい勝ち越し機を逃す。 9回、高松商の先頭の植田理久都が、詰まりながらセンター前に落とす。竹内啓人(3年)が送って決勝のランナーをセカンドに進めたが、浦が三振、山下が投手ゴロで逸機。 智弁学園は9回も三人で攻撃が終わり、戦いは興南と日大三高が争った2010年の82回大会以来、6年ぶりとなる延長戦へと突入した。