65歳以上の介護保険料「全国平均6225円」で過去最高…年金生活者の可処分所得はどれくらいあるのか?
先日、厚生労働省より2024年度における65歳以上の介護保険料が「全国平均6225円」で過去最高となることが公表されました。 【写真3枚】シミュレーション結果:年金月額が額面15万円なら「税金・社会保険料」はいくら天引きされ手取りはいくらになる? 日本の社会保険料と税金は増額を続けています。 では、老後に年金のみで生活している人の税金や社会保険料を差し引いた後の「可処分所得」はどれくらいあるのでしょうか。 本記事では、年金生活者の可処分所得をシミュレーションするので、ぜひ参考にしてみてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
65歳以上の介護保険料は過去からどれくらい増加しているのか
2024年度における介護保険料の全国平均は6225円となりましたが、過去からはどのように推移しているのでしょうか。 厚生労働省「給付と負担について(参考資料)」によると、2000年度からの介護保険料の推移は以下のとおりです。 ●介護保険料の推移 ・2000年度~2002年度 2911円 ・2003年度~2005年度 3293円 ・2006年度~2008年度 4090円 ・2009年度~2011年度 4160円 ・2012年度~2014年度 4972円 ・2015年度~2017年度 5514円 ・2018年度~2020年度 5869円 ・2021年度~2023年度 6014円 ・2024年度~2026年度 6225円 2000年度と比べると、65歳以上の介護保険料は約2.1倍に増加しています。 いかに年金生活者の介護保険料の負担額が増加しているかがわかるでしょう。 65歳以上の介護保険料について紹介しましたが、年金生活者は介護保険料以外にも所得税と住民税、国民健康保険料を負担しています。 では、これらの税金と社会保険料を差し引いた後の自由に使えるお金である「可処分所得」はいくらなのでしょうか。 次章で詳しく見ていきましょう。
年金生活者の可処分所得はいくらか
以下の条件で、年金額が月額15万円(額面)の年金生活者の可処分所得をシミュレーションしてみましょう。 ・東京都練馬区在住の独身70歳 ・65歳から年金受給を開始していて、収入は年金のみ。 ・基礎控除と社会保険料控除のみを適用(生命保険料控除や地震保険控除などはなし) シミュレーションの結果は以下のとおりです。 ●年金月15万円(年180万円)にかかる税金と社会保険料 ・額面 年180万円 ・所得税 年4000円(180万円ー110万円(公的年金所得控除)ー48万円(基礎控除)ー約15万円(社会保険料控除))×5.105%(所得税率) ・住民税 年1万5000円(180万円ー110万円(公的年金所得控除)ー43万円(基礎控除)ー約15万円(社会保険料控除))×10%(住民税率)ー2500円(調整控除額)+5000円(均等割額) ・国民健康保険料 年6万4000円 ・介護保険料 年8万6000円 ・手取り 年163万2000円(月13万6000円)180万円ー4000円(所得税)ー1万5000円(住民税)ー6万4000円(国民健康保険料)ー8万6000円(介護保険料) *各数値計算時の端数処理の関係で計算結果が一部一致していません 合計で月1万4000円の社会保険料と税金がかかり、可処分所得は月13万6000円(年間163万2000円)です。 額面年金から約9%が社会保険料と税金として、差し引かれます。 年金を額面で月15万円もらう人の可処分所得をシミュレーションしましたが、実際の年金生活者はどれくらい年金を受け取っているのでしょうか。 次章で詳しく見ていきましょう。