大統領選から1週間 「団結」呼びかけも分断広がる…トランプ新政権 “対中” “移民”の強硬派起用へ【news23】
小川キャスター: 先鋭化する攻撃的なメッセージを受けて、さらにその受け手側も先鋭化していってしまうという動きも感じますけれども、この現象をどんなふうに感じていますか。 東京大学准教授 斎藤さん: 今回、若者の男性の一部も保守化してトランプ氏により多く投票したというデータもありますが、やっぱりその背景にあるのは低収入で苦しんだり、社会的な承認を得られず不安を感じていたりする、いわゆる“弱者男性”みたいな人たちも結構いて、彼らの不満のはけ口をミソジニーとして女性に向けているわけですよね。 もちろん女性蔑視・ミソジニーは批判しなければいけないけれども、他方で低賃金や地方の衰退から将来の不安を感じて都会のエリートに見捨てられたと感じている人たちへのサポートや補助みたいなものが大切。 今回の議論で民主党は女性の中絶の権利は打ち出されたけれども、そうした弱者男性の貧困問題には十分な注意が払われなかったことは一つ問題だと思っています。 小川キャスター: アメリカに限ったことではないですが、こうした選挙のときは極端な主張が先鋭化しがちになりますね。 私たちも「分断」という言葉で語ってしまっていますけれども、その間にいる方々の思いを感じながらお伝えしていかなければならないと感じます。 ■「アメリカ社会」についてみんなの声は NEWS DIGアプリでは『アメリカ社会』について「みんなの声」を募集しました。 Q.アメリカ社会の分断 今後どうなる? 「さらに深刻化する」…62.5% 「ある程度進む」…12.8% 「表面化しただけ」…18.9% 「次第に修復する」…2.8% 「存在しない」…0.9% 「その他・わからない」…2.2% ※11月12日午後11時18分時点 ※統計学的手法に基づく世論調査ではありません ※動画内で紹介したアンケートは13日午前8時で終了します。 ======== <プロフィール> 斎藤幸平さん 東京大学准教授 専門は経済思想 社会思想 著書『人新世の「資本論」』が50万部突破
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