トランプ次期米大統領＝2024年7月18日、秋山信一撮影

　米国のトランプ次期大統領がABCニュースの司会者から「レイプ事件の法的責任がある」と中傷されたとして名誉毀損（きそん）で訴えていた民事訴訟で、ABCがトランプ氏側に1500万ドル（約23億円）を支払うことで13日付で和解が成立した。ABCと司会者はウェブサイトで「発言を遺憾に思う」との声明も発表した。 　和解により、ABCは、トランプ氏が大統領退任後に記念図書館を建設するために立ち上げる非営利組織へ「慈善寄付」の名目で1500万ドルを支払う。トランプ氏側の訴訟費用として、別に100万ドルも支払う。 　ABCの著名司会者であるジョージ・ステファノプロス氏は、今年3月に共和党の連邦下院議員にインタビューした際、トランプ氏には「レイプの法的責任があると明らかになった」と発言した。トランプ氏は2023年5月、1990年代に女性に性的な接触をしたとして連邦地裁の陪審から賠償金の支払いを命じられたが、「レイプされた」とする被害者の主張は退けられていた。トランプ氏は違法行為を否定し、上訴している。【ワシントン秋山信一】