ピッチャーゴロを処理する関西大・金丸投手

◇14日　関西学生野球秋季リーグ戦　関西大学5―5関西学院大学＝延長12回規定により引き分け（大阪市・南港中央野球場） 　中日のドラフト1位候補に挙がる関西大・金丸夢斗投手（4年・神港橘）は5―5の同点で迎えた9回から登板し、2イニングを無安打、2奪三振の無失点に封じた。試合は12回規定により引き分けに終わり、対戦成績は1勝1敗1分け。勝ち点を懸けて、ドラフト会議前々日の22日に4回戦がわかさスタジアム京都で行われる。 　優勝の可能性を残す快投となった。2回に5点を先取しながら、関西学院大の反撃に遭い、同点で9回を迎えた。小田洋一監督は「金丸は無理もさせられないので、2イニングと決めていた」と話す。9回は遊飛、一邪飛のあと、四球を与えたが見逃し三振で切り抜け、延長10回は三振、二ゴロ、投ゴロの三者凡退に仕留めた。「最初はばらつきがありましたが、修正して変化球でかわしながら投げることができました」と金丸。ネット裏で視察したプロ野球スカウトのスピードガンではこの日の最速は146キロ。自己最速154キロに及ばないが、カーブとフォークを織り交ぜて、危なげない投球を見せた。 　大学ラストゲームと思って臨んだ試合だった。「これが最後か、と思いながら投げました」と振り返るが、引き分けによって、もう1試合残す。「想定外のことが起こりましたので、（4回戦までに）優勝が（関西学院大に）決まっているかどうか分からないけど、その日に向けて調整していきたい」と金丸は話した。 　関西学院大は19日から京都大と対戦し、勝ち点を落とすと関西大に優勝のチャンスが巡ってくる。関西学院大が京都大に2敗なら、22日の直接対決で勝ったほうが優勝。1勝2敗なら、22日に関西大が勝てば、優勝決定戦にもつれ込む。 　金丸は故障明け（腰の骨挫傷）の今秋はこれで9試合14イニング連続の無失点。連続イニング自責点0となると、今年は春秋通算53イニング連続（失点1）で、昨秋からは71イニング連続となり、金丸は「ここまで来たら最後までゼロに抑えて大学野球を終えたいと思います」。そのラストゲームが大一番となるか―。