4月の飲食料品値上げは2806品目、半年ぶりの値上げラッシュ 「原材料高」値上げ再燃
今後の見通し:「天候不順」が各食品に影響 「円安」の進行も懸念材料
記録的な猛暑や干ばつ、長雨など「天候不順」の影響で不作となったことから原材料価格が上昇し、関連する食品群ではコスト増を吸収できずに値上げを余儀なくされたケースが目立ち始めた。2024年1-7月における「原材料高」由来の値上げは、品目数ベースで9割の水準に迫っている。また、1ドル150円前後の円安水準により、輸入コストの押し上げによる原材料高も顕在化している。23年秋ごろから沈静化していた「原材料高」や「円安」を理由とした値上げが、今夏以降に本格化する可能性がある。 足元ではコストアップ先行の値上げが続くなか、賃上げによる人件費の増加を販売価格へ転嫁する動きや、「2024年問題」に関連した物流費の増加に伴う値上げもみられ、「原材料コスト」以外の要因による値上げは各食品メーカーで浸透していくとみられる。ただ、家計の消費支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」が2023年には27.8%に達し、約40年ぶりの高水準を記録した。2年に及ぶ食品の値上げラッシュに晒された消費者の購買力は、節約志向の強まりから低下傾向が続き、販売数量の減少などに直結しやすい多品目・大幅値上げには慎重な判断も求められている。2024年の値上げは、原材料高などが押し上げる形で月平均1千品目前後、年間で最大1.5万品目前後の緩やかな値上げペースが当面続くと想定される。