インド内相、シーク教徒迫害に関与 カナダ政府が見解
Kanishka Singh Sarita Chaganti Singh [ワシントン/ニューデリー 29日 ロイター] - カナダ政府は29日、同国に在住するシーク教徒独立運動家が受けている迫害の背後に、インドのモディ首相の有力な側近として知られるシャー内相が存在するとの見方を示した。 米紙ワシントン・ポストはカナダ政府高官の話として、カナダにいるシーク教徒独立運動家への暴力や脅迫を裏で指揮しているのはシャー氏だと伝えた。 これまでインド政府はカナダ側の主張に根拠がないと反論し、関与を否定している。 しかしカナダのモリソン外務副大臣は29日に議会の委員会で、自分がワシントン・ポストにシャー氏が関わっていると語ったと明かした。 モリソン氏は「(ワシントン・ポストの)記者から電話があり、(シャー氏が)当該人物(迫害活動の首謀者)かと聞かれて、私はそうだと認めた」と説明したが、それ以上の具体的な証拠は示さなかった。オタワのインド高等弁務官事務所とインド外務省はコメントしていない。 インド政府は同国からの分離独立を求めるシーク教徒を「テロリスト」と呼び、安全保障上の脅威と見なしている。 昨年には独立運動に関係するシーク教徒の男性がカナダで殺害される事件が起き、この問題でカナダとインドの対立が激化。今月14日には両国が互いの外交官6人ずつを国外追放することを決めた。 インド政府筋が30日にロイターに明らかにしたところによると、カナダ政府は昨年10月頃に、シャー内相が迫害に関与したとインド側に伝えたが、インド政府は根拠が薄弱でシャー氏や政府に問題を引き起こす情報ではないと判断したという。