「投票しなかった謎の人物は誰だ?」満票に1票足りなかったジーターの殿堂入りを巡って全米騒然!
さらに「全米野球記者協会の投票者は殿堂投票を公式に明かすことは要求されていない。そのため投票者397人の中でジーターがクーパーズタウンの場(野球殿堂)に相応しいと考えなかった1人の正体を野球界全体が欲したとしても、投票は個人秘匿される」と続けた。 記事は「数年前に全米野球記者協会は、すべての記者に透明性や責任を促すことから投票結果を明かすことを求める評決を行った。だが、匿名での投票を好んだ野球殿堂がこの評決を却下していた」という過去の経緯を紹介した上で、「結果として、ジーターへの反対者が明かさない限り、もしくは真実を知る誰かが暴露するまでは謎のままとなる」とした。 また同紙は、「ジーターの論議を呼ぶ投票は、殿堂の愚かさの頂点だ」と、殿堂の選出方法に疑問を投げかけるコラムも掲載。 1979年には、432人中、23人の投票者がウィリー・メイズ氏の1年目の殿堂入りに反対、1982年には415人中9人がハンク・アーロン氏を支持しなかった。2016年には、ケン・グリフィーJr.が440人中437得票で、満票に3票足りなかったという過去の疑問の残る投票結果を紹介した。 その上で、「グリフィーの結果が殿堂選出方法の愚かさの象徴だった。個人的な確執や、最近では、たとえ選手Aに投票しなくても、彼は、容易に必要とされる75%を超えそうだから、投票がもっと必要な選手Bに投票するという『戦略的投票』といった判断を下す記者たちもいる。すべてが馬鹿げた考えだ。どのような哲学があろうと最高の10選手を選んで投票を郵送しなければならない」との主張が記された。 記事は、「いい捉え方をすれば、このような衝撃は、2025年で殿堂候補となるイチロー・スズキまで起こることはないだろう。記者たちに(2025年までに殿堂のあり方を)整理させる時間を与えることになる。常識的な判断力に愚かさに対抗するだけの強さを身につけさせよう」と、2025年に資格を得るイチローの名前を出して結ばれた。 イチローの投票を巡っては、ジーターのような問題が起きることが予想されるが、今回の騒動をきっかけに議論が深まり、殿堂のありかたが見直されれば、問題は起こらないのではないか、という見通しだ。