「投票しなかった謎の人物は誰だ?」満票に1票足りなかったジーターの殿堂入りを巡って全米騒然!
米国野球殿堂が21日、米国東時間午後6時に発表され、元ヤンキースの名ショートで松井秀喜、イチローらと共にプレーしたデレク・ジーター(45)と、ロッキーズなどで活躍し通算2160安打、383本塁打を刻んだラリー・ウォーカー(53)の2人が選ばれた。 殿堂入り資格1年目のジーターは、397票の有効投票のうち396票を得て投票率99.7%で選出されたが、昨年度のマリアノ・リベラに続く史上2人目の満票にわずか1票足りなかった。事前の“公開投票”経過では、219人から100%の投票を得ており、満票当選が確実視されていたが、まさかの事態。全米の野球ファンはSNSなどを通じて「なんてことをしてくれるんだ?」大激怒、メディアも巻き込んで騒然となった。 米国の野球殿堂は、全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上所属している記者によって投票され、75%以上の得票となれば殿堂入りとなるが、入れなかった一人の記者の正体探しや、その理由を巡って、様々な情報が米国メディアやSNSの間で飛び交っている。 ジーターは、ヤンキースでワールドシリーズを5度制覇、20年間で、通算3465安打、260本塁打、打率.310の成績を残した。キャプテンとしてチームを引っ張り、紳士的な姿勢も手伝ってファンの絶大な人気を集めた。14年に現役引退、現在は、マーリンズの最高経営責任者を務めている。引退から5年が経過し、今回殿堂入り資格を得た。 スポーツイラストレイテッド紙が「ジーターが野球殿堂入りをするかしないかは問題ではなかった。すべての注目は得票率だった」と書くように、史上2人目の満票での殿堂入りが焦点だった。 「この謎の人物の正体は誰だ?」と問題提起をしたのは、ジーター氏が活躍したヤンキースの地元メディアであるニューヨークポスト紙だ。 「我々はジーターの殿堂入りに反対した、たった一人の人物を発見できないかもしれない」との見出しを取り、「ジーターの殿堂入りの反対者をスポーツ版の『この謎の人物の正体は誰だ』と呼ぶことができる。重大な投票だ」と書き出した。 記事は「(政治スキャンダルで)有名なウォーターゲートの謎の内部告発者は、十数年後に出現したが、『誰がデレク・ジーターの殿堂入りに投票しなかったのか』という非常に面白い疑問に対しての答えは、決して得ることのできないものかもしれない」と、今回の問題をニクソン大領領を退陣に追い込んだウォーターゲート事件の真相を暴いたワシントン・ポストの情報ソースが「謎の人物(ディープスロート)」と呼ばれたことに重ねた。