「トラウマ必至」ホラー的演出がエグかった『ドラゴンボール』作中屈指の「恐怖描写」
鳥山明さんの『ドラゴンボール』は、主人公・孫悟空に代表される個性的なキャラクターと彼らが繰り広げる壮絶なバトルが魅力だ。しかし実は、読者をゾッとさせるホラー作品さながらの恐怖描写も多く散りばめられている。鳥山さんの圧倒的な作画の凄さも相まって、トラウマになってしまった人もなかにはいるだろう。 ■【画像】「ゾクゾクする…」気味悪さが凄い『ドラゴンボール』公式が発表した「セルの進化形態」■ 今回は『ドラゴンボール』作中で、ホラー的演出がエグかった恐怖描写を紹介していく。
■天下一武道会直後の朗らかムードから一転、悲鳴を聞いて駆けつけたら…
天真爛漫な悟空少年が暴れまわる本作の初期は、ギャグ要素も多く明るい作風だ。しかし、そのなかで異質の恐怖描写だったのが、やはりクリリンの死亡シーンだろう。 第22回天下一武道会、亀仙流同門の悟空とクリリンとはついに準決勝で対決する。「かんがえてみたら オラたちまともに戦うのははじめてだったな!」と言う悟空に、クリリンも「悟空っ!!! 手ぬきで戦ったりしやがったら オレは 一生うらむからなっ!!!」と返し、拳と拳を“ガッ”と合わせた二人は互いの健闘を祈った。試合は悟空の圧勝で終わったが、二人の友情を感じられる印象的な描写だった。 コミックス12巻。決勝で天津飯に敗れた悟空だったが、亀仙人やヤムチャたち仲間と明るく談笑し合っていた。そして、じいちゃんの形見のドラゴンボールと如意棒を控室に置いてきてしまった悟空のため、クリリンは「おまえ くたくただろ いいや オレがとってきてやるよ」と言って、一人控室に向かう優しいクリリン。 しかし、しばらくするとその控室から「ぎゃあ~っ!!」と悲鳴が……。皆が急いで駆けつけると、何者かによって殺されたクリリンがいた。まさしく先ほどの悲鳴はクリリンの断末魔だったのだ。 お祭りのような天下一武道会が終わり、天津飯やチャオズもこれから仲間になるのかなという朗らかムードから一転、悟空最大の友・クリリンがあっさりと殺されてしまうという恐怖と急展開……。当時『ジャンプ』で本作を読んでいた幼いころの筆者は、到底思考が追い付いていかなかった。 次の話数では、怒り狂った悟空が飛び出し正体不明の敵を追跡、そして「ピッコロ大魔王編」に突入していく。それまでの武道家然とした戦いから一変、なんでもありの魔物たちとの戦いがはじまった瞬間だった。